派遣介護職に転職?スキルやマインド、経験年数は充分ですか?
こんにちは、たくろうです。
昨今「自由な働き方」が様々なメディアで取り上げられています。
フリーランス、クラウドソーシング、起業等々。こういった働き方を目指す方々は正社員として働いていても先が見えない、スキルアップに繋がらない、企業に束縛されることなくもっと自由に働きたいなど様々な理由があると思います。
その中で、わりと古参な「正社員以外の働き方」として派遣社員があります。
単純に「派遣社員の価値」というのは「その職種の即戦力を雇うことが出来る」かつ「気軽に契約解除できる」という点になるかと思います。
僕の職場でも派遣社員は多数働いています。
その多くは方は経験年数は1年以上。基本的には2週間程度である程度の業務を覚え、その後はルーティンワークにおいては社員と変わらない質を求められます。
そんな中でですね、派遣社員として「経験2ヶ月」「40代」「将来は夜勤専門を目指している」という方が入っていらしたんですね。
僕はこの方の教育を少し担当したんですけど、まあね、やっぱりね、ちょっとあれですね。コスパが悪い。
介護職の派遣が求められているもの
ここで改めて介護職の派遣は何を求められるかを整理したいと思います。
端的にいうと「即戦力」なんですが、じゃあ即戦力って何って話なんで。
- 基本的な介助方法を知っている
- コミュニケーションが円滑に取れる
- 1日の流れが大体わかっている
- 派遣としてのマインドがある
- 休まない
- 急に辞めない
こんな感じになるかと。
最後の2つは、まあ休むのはしょうがないとしても、ほんと急に辞めるとかちょっとナシですよね。
僕らシフトで動いてるので、月の中盤にズベッと辞められるとマジで正社員がシフト調整で苦しみます。
基本的な介助方法を知っている
基本的な介助方法ってまあ、介護職員初任者研修資格を取得するときに教わるは教わるんですけど、普通に離床介助や移乗介助、排泄介助や食事介助、更衣介助とかですね。
派遣でやってきてよっぽど特殊な利用者さんの対応でないかぎり「更衣介助ってどうすればいいんですか?」ってのはありえないです。
コミュニケーションが円滑に取れる
いわゆる報告・連絡・相談ってやつですね。
基本的に派遣社員は責任を取らされることがないので、その分事細かに利用者さんの訴えや身体の状況などを正社員やリーダーに報告してもらわないといけない。
これも実は「何を言うべきか」「何を言わなくても良いか」という基準がわかっていないと即戦力とはいえなくなります。
1日の流れが大体わかっている
ほぼどこにいっても1日の流れって変わらないんですよ。
- 朝モーニングケア
- 朝食
- 朝食後の排泄・口腔ケア
- お茶
- 昼食
- 昼食後の排泄・口腔ケア
- おやつ
- おやつ後の排泄ケア
- 夕食
- 夜ナイトケア
知らない人が見ると「おうおう、食って出してばっかりだな」と思われるでしょう。
でも基本的にはこの形で変わらないはずなんです。
派遣として来て
「昼食後は何をすればいいんですか? あ、トイレ? トイレ終わりました。リビングへ行けばいいですか? え?歯磨き?」
みたいな質問は基本ナシです。
逆に上記の流れは分かっててください。
派遣としてのマインドがある
派遣社員の方ってのは、永遠にその会社にいるわけではないんですよね。
いや、正社員化を狙って入っているのであればまた違うんですが。というか正社員化を狙っているような人にこそ持っていて欲しい心構えがあります。
派遣=介護ソルジャー
ということです。
正社員の指示に沿ってケアを行い、完結させるということ。
指揮官の指令に従って戦果を上げることです。
例えば正社員が介護拒否のある利用者さんのケアに入ってくれと指示した時に「声をかけたんですけど拒否されました」とかナシなんですよ。
正社員がその利用者さんのケアに入ってくれと指示したときは、その指示した人はそのケアを完結できるはずなんです。
自分がやればもちろん事足りるんですけど、正社員は指揮官として動かなければならない。指揮官としてソルジャーに指示を出したのに「できません」とか「は?」って話ですよ。
いやもちろん、その利用者さんの手順なりやり方を教えてからでなければなりませんが、正直「正社員がこれをやれって言っているということは何かしかの方法を使えばそれは出来る事なんだな」と考えて欲しい。それでも出来なければ「どうすればいいのか」を聴くなり見るなりしてほしい。
自分が指揮官で、兵士に敵を倒せと命令したら「かわいそうで倒せません」とか「は?」でしょ? それをやらなきゃどうしようもないから指示を出してるんですよと。
そしてもう1つは
そのシフトとして求められている業務を時間内に完結させる
ということです。
例えば「ナイトケア」は入居型の施設に存在する業務で、要は利用者さんが「歯磨きしてトイレ行って着替えて寝る」ということです。
1番工数がかかる業務なのに1番人数が少なくなるタイミングで発生する魔の業務なんです。
これを例えば、この時間までに5人~6人完結させて欲しいシフトに入っているのに、3人終わったところで「時間なので帰ります」じゃないんですよ。
吉高由里子じゃないんですよ。
「えっ、私派遣なんで残業できませんよ。お給料高いですよ」とかいう謎の脅迫とかほんと意味がわからない。
とりあえず時間までなんとなくやってればいいや、みたいな考えは本当に良くない。周りが疲弊してしまいます。
まあ、正社員の中にもこんな考えの人が潜んでいるので一概には言えませんけどね。
とにかく派遣として現場に来たら
介護ソルジャーとしてシフトで求められている業務を時間内に完結させる
という心構えでいていただきたい。
介護職の派遣として働くにあたり、目安の経験年数は1年以上
上記のように、介護職の派遣として求められるスキル・マインドを構築するのに必要な経験年数の目安は1年程度になります。
これがギリギリ最低ラインかなと。
もちろん、例えば「デイサービスを1年経験しました」「なので特別養護老人ホームの派遣をやります」というのは求められるスキルも経験も動きも全然違うものなので少しキビしくなります。
上記の例で言うと「デイサービスを1年経験」して派遣になりたいのならば「その経験を活かしてグループホームへ」ということであればまだスキルが活きると思います。
「様々な経験をしたいから」という理由だけで畑違いの介護サービスの派遣になると、かなりキビしいと思います。
というのは、派遣社員というのは結局「そのうち必ず辞める」人であり、「教育に時間をかけるのはコスパが悪すぎる」ということになるからです。
時間もお金も労力もかけて育ててる他人のポケモンみたいなもんです。アホらしいでしょ。
介護職の派遣として働く上での必要スキル
そんなわけで、もしこれから派遣で介護をやろうと考えている方がいらっしゃれば、以下の点について本当に出来ているかを考えてみてください。
- 基本的な介助方法を知っている
- コミュニケーションが円滑に取れる
- 1日の流れが大体わかっている
- 介護ソルジャーとして時間内にシフトで求められている業務を完結するというマインドをもてる
- 同じ畑の介護サービスで1年以上のキャリアがある
- 急に辞めない
これらができていないと派遣に転職しても邪険に扱われる可能性もありますし、最悪契約解除されてしまいます。
逆に言うと、例えば今の職場が辛くて派遣に転職しようと考えている方は、上記の項目を満たすことをモチベーションにしてもうしばらく頑張ってみるのも良いかと。
いや、もちろん「もう死にたいくらい辛い」とかなら迷わず辞めるべきですけどね。