介護レクで声を施設に響かせる発声練習法
「歌レクや体操レクをやると声が枯れて辛い……」
「無理に大きな声をだしていると怒っているように聴こえてるみたい」
大きな声を出し続けるのは疲れますし、喉がイガイガしてしまう時がありますよね。
終わった後はスーパーの魚屋さんみたいな声になってしまったりとか……。
こんなときは聴いているほうも辛いけど、自分も辛い!
この記事ではそんな「大きな声を出すと声が枯れる」「大きな声を出し続けられない」というお悩みについてお答えします。
※と、言っても僕は独学で発声を学んだだけです。が、この方法で練習を重ねたことにより30~60分のレクでも声が枯れることもなくフロアに響き渡る大声を出し続けることが可能になりました。参考にはしていただけるはずです。
もくじ
- 簡単に腹式呼吸「ドッグブレス」
- 共鳴を利用して楽に発声【難易度高】
- お口周りをウォーミングアップ「タングトリル」
- まとめ
簡単に腹式呼吸「ドッグブレス」
皆さん声を出す時はどこから声を出しますか?
「そりゃ喉だろ」
って方もいらっしゃるかと思いますが、実は大声を出すポイントは「お腹」にあります。
よく「腹から声を出せ!」とか言うのを聞くと思いますが、声を枯らすことなく大きな声を出すには「お腹から声を出す」ということが必要不可欠なんです。
でも実際、お腹から声を出そうとしてもよくわからない。
僕も昔そうでして、無駄にお腹をへこませて声を出していましたが、本当にお腹をへこましているだけで全然お腹からの声になっていませんでした。
この「お腹から声を出す」ためには「腹式呼吸」が必須となります。
ということで、腹式呼吸のコツをつかむ為に「ドッグブレス」という手法を使います。
犬が「ハッハッハッハッ」と舌を出して呼吸をしていますよね。
あれをマネすると、実は自然と腹式呼吸になるんです。
ためしに「ハッハッハッハッ」と犬のマネをして息をしてみてください。
息をするたびにお腹が動きませんか? これが腹式呼吸が出来ている状態です。
「ハッハッハッハッ」のほかに「ハッハッハッハッハーーー」とか、「ハーーーッハッハッハッ」「ハッハッハーーーハッハッ」とか色々やってみてください。
結構お腹に効いてきます。
この呼吸にはダイエット効果もあるみたいですね。
実際やり慣れてないうちはお腹が筋肉痛になるくらいです。
この呼吸が出来るようになったら、そのまま「ハッハッハァァアアー」と息を吐き出しながら声を出してみてください。
普段の話す声と違う感覚で声が出ていると思います。
これが「お腹から声を出す」という状態です。
この感覚を忘れずに、「あれ?」と思ったら何回でもドッグブレスをやり直して体に覚えこませましょう。
共鳴を利用して楽に発声【難易度高】
ぶっちゃけドッグブレスでお腹から声を出す感覚を習得できたら、70%くらいはもう正しい発声の方法を習得したことになると思います。
ただ、残りの30%を突き詰めていこうとすると途端に難易度がちょうハードになります。
マジで初期のMMOのレベリングくらいマゾいです。
なので、ここからはすぐに習得しようとせずゆっくりと体になじませていきましょう。
で、共鳴を利用する方法なんですが
「軟口蓋(上の画像の赤マルの部分です)」という口の中にある鼻の入り口(出口?)付近に当てて響かせるという手法です。
イメージとしては、ドッグブレスの「ハッハッハッハァァアアー」というお腹からの声を、喉を通過させて(あくまで喉は通過するだけ)軟口蓋に当てて響かせる感じです。
これができると、ある程度高い声も出せますし、長時間でも問題なく大きな声を出せます。
この共鳴のコツを掴むにはある程度高い音、あるいは裏声で発声するのがわかりやすいんですが……ぶっちゃけこれ以上やると発声沼に引きずり込まれますので、この辺でとりあえずやめておきます。
大声を出すとき、そんなコツがあるんだなあ程度で頭の片隅にでもおいて頂ければと。
お口周りをウォーミングアップ「タングトリル」
こちらは共鳴とはうってかわって簡単。
唇を「プルルルルルル」と震わせるトレーニングです。
子供の頃、遊びでプルルルルルってやりませんでした? まさにあれです。
これは舌と喉のウォーミングアップに加え、お口周りの筋肉の脱力に効果があります。
ひとつの音だけでなく、音を上下させながらやるとより効果が増します。
「できねーよ!」という方(僕も最初できませんでした。子供の頃はできたのに……)は手で左右の頬を軽く押さえるとやりやすいので、感覚を掴むまではこの方法でやると良いかもです。
また、何故か唇が湿っていた方がやりやすいので、近くに水分を用意してトライしてみてください。
まとめ
最初はどれもなかなか上手くいかないかもしれませんが、大きな声が出せるというのはレクにおいて大きな武器になります。
レクの前にドッグブレスやタングトリルを1~2分練習してから臨むだけで効果がありますので、是非やってみてください。
やり続けると、ついでにカラオケも上手くなりますよ。
また、このドッグブレスやタングトリル自体を体操に取り入れて、利用者さんと一緒に練習をするというのも立派なリハビリレクになります。
歌レクの前や、食事前の口腔体操として取り入れてみると良いと思います。
がなるように声を出したり、声が枯れたりすると利用者さんも辛いし自分も楽しくないですよね。
まずはドッグブレスで腹式呼吸からの複式発声を習得して、施設全体に響き渡る声で楽しくレクをやりましょう。
この記事が皆さんの参考になれば幸いです。