なぜ介護レクが苦手なのか?誰でもできる解決法
こんにちは、たくろうです。
介護職をやっていてわりとよく聞く悩みとして「レクが苦手」というのがあります。
確かに突然「人前に立って大きな声をだして楽しく体操をやってください」と言われても、「ちょっと何言ってるかわかんないっすね」となりますよね。
僕も人前に立つのは得意ではないので、最初はかなり抵抗がありました。
しかし、レクが「得意」とまではいかないまでも「まあ嫌ではない」「できなくもない」程度になら慣れることは可能です。
究極的には「場数を踏んで慣れる」ですが、場数を踏んでいくまでのコツとしては「事前準備」と「悪目立ちしていないかなと自分を客観視すること」です。
レクに慣れるコツ
例えば「毎日レクを1ヶ月やった」とかになると、完全に慣れますよね。
人前に立って見る景色も当たり前の風景になって、普段友達と話すのと大差がなくなります。
僕の同僚に元デイサービス職員がいるんですが、「毎日レクをやりすぎてもう嫌になった」とまで言ってました。
ここまでになると慣れすぎちゃって逆にダルくなるというやつですね。
なので、究極的にレクに慣れるにはとりあえずレクをする回数を増やすというのが正解になります。
とはいえ、闇雲にレクをやる回数を増やしたところで苦痛時間が増えるだけ。
辛すぎて自分のメンタルが持っていかれるだけになります。
レクに慣れない内は事前準備をしっかりする
「レクが苦手」という人が「明日レクの担当になってしまった」とします。
「どうしよう。何をしたらいいんだろう。先輩は簡単そうに体操をしていたからそれでいいかな」
程度に考えてそのまま当日のレクを迎えると、ほぼ間違いなく失敗します。そして更にレクが苦手になります。
レクが苦手な人に必要なのは「どの手順でどのようにレクをするか」を考える事前準備です。
例えば「体操をしよう」と考えたのであれば、以下のようなことまで考えて準備するべきです。
- 導入の挨拶(日付、天気の話、次の食事の話等をして注目を集め、これから何をするか説明)
- 深呼吸(これから行う体操に集中してもらう)
- 体の上から下まで動かしますと説明。まずは頭から左右、前後、回転します。
- 肩をすくめる*5回
- 肩の回転、前後*5回ずつ
- 手首ブラブラ10秒
- 腰の回転*5回
これはまだまだこの先があるのですが、とにかく体操をするにも上記のようにどの部位をどの回数、どの順番で、とまで考えておくと失敗しません。
当然利用者さんの身体状況、認知度の差によってできるできないがあるので、都度声かけなどを行っていきます。
例えば会社で何かプレゼンをしてくださいといわれた場合、資料を作ったり、どういう喋りをするか決める等の準備をしますよね。
レクも人の前で話をするという点では同じことです。
ゲームになると事前準備の難易度は上がります。
利用者さんにルールを説明するために、まず自分がルールをしっかりと覚えていなければなりません。
認知機能の差によってゲームが成り立たない場合もあるので、勝敗があるものはどの利用者さんをどのチームに振り分けるか。
ゲーム中どんなリスクがあるか。
なども考えておかないといけなくなりますので、結構大変です。
事前準備をしておかないと失敗してしまい、失敗すると更に嫌になるという無限ループにはまってしまうのでしっかり準備をしておきましょう。
「悪目立ちしていないかな」と自分を客観視する
人前で話すのが苦手すぎて、萎縮してしまうことがあると思います。
「自分を見ないで」「恥ずかしい」という意識からなるべく目立たないようにしてしまうんですね。人前にいるのに。
これは完全に悪目立ちしてしまい、逆に悪いほうに注目を集めてしまいます。
例えば、演説とかショーの司会とか何でもいいんですけど、人前で話をしている人がよく聞き取れない声でゴチョゴチョ言ってるのを見ると
「何なのこの人。何がしたいの? 大きい声で話してよ」
という気持ちになりませんか?
これが悪目立ちしているという状況です。
どんなに良いことを話していても自信がなさそうにしているだけで印象が最悪になります。
逆に適当なことを言ってても堂々と自信満々にしているだけで印象が良くなります。
体操のDVDをただ流して横にいるだけは「サムい」
利用者さんをTVの前に集めて体操のDVDを流し、「やってくださーい」と言って自分もTV横で体操をしているだけ。
これって、本人はわりと真面目にやっているつもりかもしれませんが、客観的に眺めると「サムい」です。
利用者さん全員がこのDVDの通りに体操をしてくれているのであれば良いんです。
ていうかその場合TV横にスタッフはいらないんです。
でもDVDを流しながらほとんどの利用者さんがポカンとしてTVを眺めているだけ。
そのTVの横で「やってくださーい」
いや、やるわけないですよね。
だって楽しそうじゃないもん。
どうしてもDVDを使うなら、僕ならDVDの1つの動作が終わったら一時停止して、その動作を利用者さんに見せながら声をかけていきます。
できていない人には「こうですよ」と個別に声をかけます。
ていうか、DVDの内容を覚えて同じ動作を僕が利用者さんの目の前でやります。
一時停止の動作イチイチやるのめんどくさくないですか。
レクの時間は、利用者さんの承認欲求を満たす時間でもあると考えています。
利用者さんの名前を個別に呼んで、動作ができたり、ゲームが上手くいった時には「○○さん上手!」「すごい!」と認める。
そうすると利用者さんは良い気分になりますよね。
レクは介護の仕事
「レクが苦手」「憂鬱」というのはわかります。
誰だって苦手なことはあります。
でもだからといって「レクやりたくない」とその仕事から逃げるのは違うと思います。
例えば「排泄介助をしたくない」と言って別の仕事をやっているスタッフがいたらどう思いますか。
極端な話ですが「レクは仕事のひとつである」ということから考えると、本質的に言ってることは同じです。
苦手であれば、他の仕事と同じように先輩やできる人から教えてもらうべきです。
上手な人のレクの様子を見学するべきです。
冒頭でも言ったように、場数を踏めば「嫌ではない」程度には慣れることができます。
チャレンジすることで嫌な仕事がひとつ減るんですよ。
最高じゃないですか。
是非「苦手だけど仕事だししょうがない。事前準備してやってみるか」とチャレンジしてみてください。