介護で腰痛になりたくない!【腰痛防止の介助方法も】
介護士の皆さんこんにちは!
「介護をやっているけど腰が痛くて辛い……」
「腰に楽な介護方法はないものだろうか……」
といったお悩みについて、有料介護施設にて勤務9年目の介護福祉士の僕が全力でお答えします!
僕のマインド的なことも書いてありますし、在宅介護や利用者さんの介護度によっても使えるか使えないかは変わってしまいますが
「ほー、こんな風にやってる人もいるんだなー」
と考えて読んでみていただけたら幸いです。
もくじ
- とにかく腰が痛い! 治してもらうのにおすすめは?
- 腰痛にならないためのストレッチ
- 楽になるマインド
- 負担の少ない介助方法
- まとめ
とにかく腰が痛い! 治してもらうのにおすすめは?
おすすめは鍼灸院
腰にグキッときた! なんて時は「整形外科かな……」と思う方もいるかも知れませんが、大体「骨に異常はないですね」なんて言われて痛み止めの内服薬とか、湿布を処方されてくらいです。
また、慢性的に腰痛に悩んでいる方は「次の休みにマッサージに行こう」となるかも知れません。
僕は間違いなく鍼灸院、特に鍼治療をおすすめします。
鍼治療はマッサージはもちろん、温療法や電気治療などでは届かない、体のツボをピンポイントで刺激してくれます。
腰が痛いからといってその原因が腰にあるとは限らず、体のいたるところの筋肉は繋がっているので、腰に通じるツボを鍼でズボッと刺激するわけですね。
指圧や灸でも届かない筋肉の奥底に届くので、劇的に改善するというお話です。
体に刺さるものなので痛みが全くないわけではないのですが、鍼といっても髪の毛くらいのものなので慣れてくれば気にならない程度ですよ。
また、チャレンジをしたものの、怖いときや痛いときは素直に「怖い」「痛い」と先生に言いましょう。全然恥ずかしいことじゃないです。
「鍼で刺すとか絶対無理! マジ信じられない!」って方は次点で灸治療ですね。
こちらも体のツボをピンポイントで熱でほぐすというものなので、指圧よりも効果はあります。
腰痛にならないためのストレッチ
日々のストレッチも非常に大事ですね。
とかいいつつ僕はサボっていて「体が硬くなってきたなあ」とか「疲れてきたなあ」って時にあわててやるくらいですが(笑)
ただ、皆さん「腰が痛いときは腰のストレッチをやろう」と思っていませんか?
上の項でも書いたとおり、腰は体の様々な部位と繋がっているので、腰だけをストレッチしても改善されないかもしれません。
ほぐすべき場所は腰じゃないかも
実は背中やお尻、意外なところではおなかも腰とリンクしていたんですね。
文章で書いても伝わりにくそうなので、参考リンクを。
「いまトピ」さんのおなかのストレッチや背中のストレッチがわかりやすくて良い感じです。
あとはお茶のCMでもやってたお尻のストレッチを「&GP」さんから。
コルセットも使おう
介護をやっていて使っている方は多いと思います。
「自分は若いから大丈夫!」なんて言っていると痛い目見ますよ(笑)
コルセットを使うと便利だし、本当に楽になります。
特に腰痛の治療中や病み上がりは絶対に使うべきです。
楽になるマインド
自分の力は最小限に、出来るだけ利用者さんにやってもらう
多分僕は不良介護士で、正直「利用者さんが出来ることをなんでこちらでやらなきゃいけないの?」という気持ちがあります。
でも僕もそうですが、皆さん少ない人員の中で時間と業務に追われて大変だと思います。
クソ忙しい中で、利用者さんに「ボタンをとめてください」「靴を履いてください」なんてお願いしてこちらは見てるだけ、なんて時間の無駄に思えてしまってこちらでやってしまいますよね?
しかし、移乗に関してはこちらでやろうと利用者さんにやってもらおうと、かかる時間に大差はないですし、何よりこっちは腰が痛い!(笑)
腰だけじゃなくても「今日は何か体調が悪くて、この元気な利用者さんより全然辛い……」という状況もあると思います。
なので、利用者さんに力を最大限に発揮してもらって楽をしましょう。
大丈夫。利用者さんに立ってもらう、足に加重をかけるということは、
- お腹に力が入ってお通じが出やすくなる
- バランスを取るための全身運動
- 「立てた」という達成感
などなど、利用者さんにとってもめちゃくちゃメリットがあります。
是非、利用者さんのため、僕らのために出来ることは自分でやってもらいましょう。
負担の少ない介助方法
そんなわけで、僕のやっている介助方法を紹介します。
とはいえ、基本といえば基本ですし、知っている人は知っているやり方です。
「んなこたわかってるんだよ!」って方はご容赦ください。
前傾姿勢をとってもらう
皆さん椅子に座った状態で、手をつま先に付けるイメージで上体を倒してみてください。
お尻、ひゅっとあがりませんか?
めちゃくちゃに体が柔らかい人は違うのかもしれませんが、普通の人はこのように上体を倒すとどうやったってお尻が浮きます。
雑ですけど、上の画像で言うと四角が人体として、傾けると反対側が浮き上がりますよね。これと理屈は同じです。
そしてお尻が浮くと立ち上がりやすいです。ためしにお尻を浮かせないように立ってみて下さい。
恐らく垂直に立ち上がることになると思いますが、足の力100%で立ち上がるためにお尻を浮かせた時に比べてシンドイはずです。
この「お尻が浮く=立ちやすい」というのはかなり重要なポイントで、この視点があるなしで介助の難易度が全然違います。
持ち上げるという意識をなくす
利用者さんのズボンのウエストを引っ張ったり、脇に手を入れて「立ってください~!」と一生懸命持ち上げようとしてませんか?
前傾姿勢をしっかりとってもらえば、あとは浮いたお尻に手を差し込んで支えるだけで、今までより全然楽に立ち上がってもらえます。
なかなか前傾姿勢をとってもらえない利用者さんには、後ろから介助する場合は肩甲骨の辺りを保持して斜め前に力を入れることで、前傾姿勢への手助けと持ち上げの手助けを両方行えます。
前から抱える場合にも脇から手を入れて肩甲骨の辺りを保持し、自分は斜め後ろに体重をかけるようにすることで前傾姿勢をとりやすくできます。
ポイントは、利用者さんと同時に力を入れるのではなく、利用者さんが立ち上がろうと力を入れた後に自分の力を入れてください。
「持ち上げる」ではなく「支えるだけ」という意識です。
重心を相手より低く、足と体で支える
腰痛対策として1番大事なのは、単純に腰に負担をかけないこと。
例えば重たい荷物を地面から持ち上げるときに、背中を丸めて持ち上げるのは腰に負担がかかりますよね。
負担を分散させるには体全体を使うことです。
体全体を使うには、対象の重心より自分の重心を下にします。ものを持ち上げるときにも、腰から下で保持するのと胸の上で保持するのとでは重さが全然違うはずです。
移乗等の際にも相手より重心を低くして、支持基底面積を広くとります。
利用者さんにもしっかり「立ちますよ」等の声かけ、足はしっかり地面に設置しているか、立ちやすい位置にあるかを確認します。
そして上の項で説明した「前傾姿勢をとってもらう」を意識して、自分と利用者さんの足の力を使って利用者さんと一緒に立ち上がるというイメージで介助するだけで、腕の力で持ち上げようとするよりかなり楽に介助できます。
僕は腕は添えるだけ、支えるだけというイメージで介助しています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
僕も1度ぎっくり腰をやったことがありますが、あれは本当に辛いですよね。
立ち上がることもできずのた打ち回って、ひいひい言いながら鍼灸院で鍼を打ってもらったら1時間後には「まあ痛いは痛いけど歩けないほどではない」レベルにまで回復して驚いた経験があります。
日々ストレッチで体のメンテナンスをしたり、利用者さんの力を重視した介護をして腰痛を予防しましょう。
この記事が介護で頑張っていらっしゃる皆さんの一助になれば幸いです。