本ブログはアフィリエイト等広告を含みます

NHK Eテレ 久留米・じじっか 感想走り書き

福岡県久留米市、子育てに悩むひとり親、生活保護を受ける家族、不登校の子ども、そんな人達が居場所を求めて集まる施設。実家よりも実家のように過ごしてほしいと願って作られた「じじっか」のエピソード。

その話に登場する16歳の男の子。
両親が離婚? して、シンママに育てられ、そのママが他界。
親戚が男の子を引き取ることにはなったけど、本人が自分をよく見せるための「しょうもない嘘」をついたりするため、もう面倒を見れないと。
じじっかとしてはなんとか男の子を引き受けてほしいと親戚と交渉をしたけど「マジ無理」と。

これは本当にもう、誰も悪くない。
シンママはもちろん悪くないし、面倒を見切れないとサジを投げた親戚も悪くない。
そりゃ親戚だってしんどいでしょ。ただでさえ16歳の多感な時期の男の子を、自分たちが望んだわけでもなく受け入れて育てる。かかるお金だってバカにならない。それなのに本人はしょうもない嘘をついて困らせる。
「やってられない」となってしまうのも無理はない。

そして「しょうもない嘘」をついてしまう本人だって悪くない。
こんなもん自己防衛みたいなもんでしょ。父親がいなくなって、母親もいなくなって、たった1人になって。じじっかではある程度安心できてはいるけど、ずっとそこで暮らせるわけではない。自分はどうなるんだろうという不安が常に付き纏っている中で、どう立ち回るのが正解なのかわからない中で、誰を信用していいのかもわからない中で必死になっている行動が悪手だっただけ。それが立ち回りとして不正解ということすらわからない年齢。

結局はじじっかが立ち回って、男の子はなんとか児相の施設に入れることになった。
家賃と食費の3万円のため、自分のお金を稼ぐためにアルバイトをすることになった。

でも、本当はまだ家賃だとか食費だとか、そんなことのために働かなくてもいいはずの年齢なんだよね。そんなことは気にせず、自分のためだけに働くか働かないかを決めていいはずの年齢。勉強だとかスポーツだとか、恋愛だとか遊びだとか、そういう青春を楽しんでいいはず。
だけど、生きていくために月3万円を稼ぐために働かなくちゃいけない。
たかが3万円ではあるけど、もう「生きるための労働」をしなくちゃいけない。

じじっかの人は、「もうすぐ18だから」「大人になるんだから」と言う。
それはもうどうしようもないから。

誰も悪くないけど、そういう環境になってしまったからその環境で生きるしかない。
他人が手伝える部分は限られている。

誰も悪くないけど、この社会で生きていくためには、本人のためには「そういう環境」に適応してもらうしかない。そのための手助けしかできない。
母親のように甘えさせることはできない。

誰も悪くない。
その環境に陥ってしまったら、そこで生きるしかない。

スポンサーリンク

日記

Posted by たくろう