ガンダム初心者が「THE ORIGIN」を観るなら2話冒頭を先にみよう
ガンダムTHE ORIGINってアニメがあるじゃないですか。
あれの第2話「哀しみのアルテイシア」まで観たんですよ。
1ヶ月無料見放題のアマゾンプライムビデオで見たんです。
ていうかガンダムって知ってます？
お台場にあるアレです。知ってます？
多分ですけど「ガンダムを全く知らない」「見たことも聞いたこともない」って人はいないと思うんです。
どれだけアニメに疎い人でも『ガンダムってロボットが戦うアニメ』くらいの認識は持ってると思うんです。
全くガンダムって単語もなにも知らないって人は、生まれたばっかりの赤子かまたは取り憑かれたようにアンパンマンとトーマスに傾倒している世代の子供くらいじゃないでしょうか。
ガンダムはプリキュアとか仮面ライダーと同じく、狂気のようにシリーズがあります。
なので、世代によって触れるガンダムの違いはあれど、普通に日本に生きていれば嫌でも触れているはずなんですよね。
ガンダムという概念に触れていると思うんです。
僕も例にもれず、少年の頃に少なからずガンダムに触れてきました。
しかし本当に「少なからず」って感じで、僕は今アラフォーなんですが、この世代の人間にしてはあまりガンダムに触れてこなかった方の人間だと思います。
ガンダムとかガンタンク、ザク、グフ、キュベレイとかその辺は知っていますが、１つのシリーズを通して観たことはない程度の知識です。
こんな感じの「常識としてのガンダムはなんとなく知ってる」程度の知識で「THE ORIGIN」を第1話から観たんですが、まあね、よくわかんねえの。
僕の持ってるガンダムの知識と認識
ここで僕が持っているガンダム知識とTHE ORIGINに対する事前知識を書いてみます。
書いてみますけど、あくまで僕の認識なので間違ってるかもしれません。
- アムロってやつがガンダムに乗ってる。
- 「ぶったね！父親にもぶたれたことないのに！」って言う人。
- 連邦軍についてる。
- シャアは仮面かぶってるジオン軍の将軍。
- 赤いザクに乗っててやべえ動きするから「赤い彗星」って言われてる。
- 地球連邦軍とジオン軍が対立してる。
- 対立してる理由は（僕は）よくわからない。
- 人口爆発や環境汚染の影響で、一部を除いて人類は宇宙での生活空間「コロニー」で生活してる。
- コロニーはめっちゃたくさんある。
ザックリこんな感じ。
ちなみにこのアムロとかシャアとかが出てくるガンダムシリーズを「ファーストガンダム」って言うっぽいっす。いやごめんなさい、違うかも知れない。
いや、でもね、この程度の認識の人っていると思うんですよ。
僕くらいのガンダム知識の人ってたくさんいると思うんです。
そして「THE ORIGIN」の方の認識。
- シャアの過去を描いた作品らしい。
これだけ。
マジで薄ぼんやり。
こんな僕がなんで「THE ORIGIN」を観ようと思ったのかといいますと、そもそも戦争映画が好きなんですよ。
ガンダムって基本戦争のお話で、ある意味戦争映画じゃないですか。
なんかGガンダムはガンダム同士が殴り合ったり、生身の人間がケリでガンダムを破壊するとか意味わからないお話らしいんですが、このファーストガンダム近辺ってしっかり戦争のお話っぽいんですよ。
そんなわけで「戦争を描いた作品としてのガンダム」に以前から興味はあったんです。
でも、いかんせんファーストガンダム周辺ですらシリーズが乱立しててどれから見て良いのかわからない。
「1年戦争」だとか「ナントカ部隊」だとか言われても完全にぴえん越してぱおんなんですよ。連邦しか勝たんとか言うしかない。
そこでTHE ORIGIN。
THE ORIGINはファーストガンダム以前のお話だっていうじゃないですか。
てことは時系列的に最初期の話なわけじゃないですか。
こういうのってよくわかんなかったらとりあえず最初から見ておけばお話の筋がわかりやすそうじゃないですか。
年代が古い順から観ていけば時系列で理解が深まりそうじゃないですか。
じゃあもうTHE ORIGIN観るわって話じゃないですか。
THE ORIGINさん、冒頭から僕を置いてけぼりにしていく
そんなわけでTHE ORIGIN第1話「青い瞳のキャスバル」を観だしたんです。
導入は連邦軍とジオン軍が宇宙空間で戦っているシーンから。
大量の連邦の戦艦が、数で圧倒的に不利なジオン軍を追い詰めています。
そこに登場するシャアが操る赤いモビルスーツ。
仲間に「動きが3倍早い。もはや彗星だわ。あいつまじ赤い彗星だわ」とか言われながら、ガリガリと連邦の艦隊を沈めていきます。言ったやつは「上手いこと言ったった」みたいな顔してた。
働け。
そしてシーンが移り変わり、幼き日のシャア＝キャスバルと妹のアルテイシアが寝室で寝ています。
すると隣室から「やったぜ原稿できた！ これで勝つる！ ……あーダメだわ。こんなんじゃ民衆の心をつかめないわ。しにたい」とか言ってる声が。
この声の主、万年直木賞落ちみたいな顔してる情緒不安定なおっさんがジオン・ズム・ダイクン。キャスバルとアルテイシアの父。
「あなた、子供が寝ているからちょっと勘弁してくださいよ」みたいなことを言ってなだめる女性が母アストライア。
翌日、壇上で演説中に急に苦しみ出し、死亡する万年直木賞落ちダイクン。
なんかダイクン偉いっぽいし暗殺されたんかな。
正直ね、ここらへんまでなんですよ。
理解が追いついてたのがこのへんまで。
開始5分くらいまでしかリアルタイムで理解できなかった。
このへんからね、「全然知らないけどなんとなーく顔はみたことあるかなあ」みたいなキャラクターがゴリゴリ出てくるんです。
そんで謀略の話がガンガン進んでいくんです。
理解が追いつかないなりに必死にお話を追っていくと、多分ダイクン家ってのが一番力を持ってたんだなということがなんとなくわかります。
そんで当主である万年直木賞落ちダイクンが死んで、さあこっから実権握ったるぞと動き出すのが、一族郎党ナスの呪いを受けたのかなってくらい頭がナスみたいな形してるやつばっかりのザビ家。
「えーザビ？ ちょっと乗り気しないんですけどー。やっぱダイクンだよねー」って立場がラル家。
ラル家はジジイがうるさくてその息子のヒゲのおっさんが有能。
ギリギリわかるのがこのへんまで。
詳しいところはね、全然わからない。
ほんと全然入ってこないんですわ。
ダイクンてそもそも何？ 政治家？
連邦軍とダイクンの関係ってどうなってるの？ 首長みたいなもん？
それぞれのグループはどういう思想で動いてるの？
途中でドラゴンボールの占いババみたいなのが出てくるけど君なに？
権力者っぽいけどザビ家とダイクン家とどういう関係？
もう色んなことがちんぷんかんぷん。
何がなんだかさっぱりわからないよ！！
この置いてけぼり感はアレですね。
アベンジャーズ感ありますね。
アベンジャーズも急に出てきてバックボーンも語られないキャラクターが当たり前のように仲間だったりするじゃないですか。
こんなもんね、ファミレスでご飯食べてたらいつの間にかドリンク持ったやつらが隣に座ってめちゃくちゃ楽しそうに話してるみたいな状況なわけですよ。
え、待って、君だれ？ ってなるんですよ。
当たり前のようにドリンクバーでコーラとメロンソーダ混ぜたの作ってきてるけど、君、だれ？ って話になるんですよ。
全然ついていけてない。
完全に置いてけぼり。
すげー真面目に集中して観てるのに完全無欠に置いてけぼりくらってる。
あのな、THE ORIGIN観る人だれもがダイクンとかデギン・ソド・ザビとかギレン・ザビとかドズルとかキシリアとか知ってると思うんじゃねーぞと。
ギレン・ザビの顔は見たことあるけどこんなもん徳川綱吉と同じようなもんだぞ。見たことあるだけで全然しらねーぞ。生類憐れみ令出したくらいしかしらねーぞ。
そういうとこ、ほんと良くないと思う。
THE ORIGIN第2話冒頭のあらすじがめちゃくちゃ優秀
それでもまあね、一応観終わるわけじゃないですか。
THE ORIGIN第1話を観終わるわけじゃないですか。
感想としては「なんとなーく、ほんとなんとなーくそれぞれの立場がわかったけど、なんかこうイマイチだなあ……」ってのが正直なところ。
いや、面白いんですよ。
名家の遺児となったキャスバルとアルテイシア。
すでにモビルスーツ操縦の才能を感じさせるキャスバルが、これからどんな運命をたどって赤い彗星となっていくのか。
これからどんなことが起こってジオン軍が出来て、連邦と対立していくのか。
アルテイシアはかわいいし、お話は普通におもしろいんですけど、やはりバックボーンが語られていないからそれぞれの立場や思想がイマイチよくわからない。
「ザビ？ 常識だよ」みたいな顔されても困る。
そんな違和感を覚えつつ、まあとりあえず続き、ってことで第2話「哀しみのアルテイシア」を再生したんです。
そしたら冒頭にあらすじが挿入されていたんですけど、これがマジで優秀だったんです。
「人類が新たな可能性を求めて宇宙へ進出した時代。これを宇宙世紀と名付けられた」
「居住地として作り出したスペースコロニー。しかしここは『約束された未来』と呼べる場所ではなかった」
「地球から最も遠いコロニー『サイド３』にスペースノイド（多分コロニーに住んでる人）の独立を訴える男が現れた。その名は、ジオン・ズム・ダイクン（！！）」
「ダイクンはサイド３『ムンゾ』に条件付きの自治権を連邦政府に認めさせた。しかし、自治権の拡大と完全独立を目指すダイクンは地球連邦からの厳しい弾圧を受けることになる」
「その日、議会では連邦軍のムンゾからの撤退と、事実上の独立宣言が発せられるはずだった。しかしその言葉の前に、ダイクンは倒れた」
「ムンゾでは地球連邦への反発が起こった。そしてダイクン陣営内部でも積年の派閥争いが顕在化した」
「ダイクンの右腕と称されたザビ家は、ダイクンの遺族を囲い込もうとしたラル家を打倒し、事実上ザビ家がムンゾの実権を掌握した」
みたいな感じで、僕が知りたかったことがブリンブリンと語られてるの。
こういうことなの。
こういうことが知りたいのこっちは。
僕は事前知識があったから良かったようなものの、コロニーとか多分知らない人もいるわけ。
コロニーという宇宙の居住空間があるっていうことを知らずに観る人もいるわけ。
直木賞落ち顔のダイクンなんてそもそも誰なんだかもよくわからないわけ。こいつが連邦政府からの独立のリーダーだったなんてことはこれっぽっちも語られてないし、当然地球政府から弾圧されてるなんてことも読み取りようがないわけ。
死んだ日が独立宣言をしようと考えていた日だったなんてこともわからないわけよ。だってすぐ死んじゃうんだもん。蛍みたいにすぐ死んじゃうんだもん。
そんな数々のモヤモヤがですね、このあらすじで一気に解決するんですよ。
もうね、これをなんで第1話で流さないのよ。
そしたらすげーわかりやすくなるのに。
ほんと、第1話見る前にみたかった。
そんなわけなので「あまりガンダムの知識がないけどTHE ORIGIN観てみようかなー」と考えている人。
ガンダム？ ダイクン？ ドズル？ ギレン？ ぴえん？ 越えてぱおん？ みたいな感じの人。
こんな人は、まずは第2話冒頭のあらすじをサラッと観てから第1話を観るべき。
間違いなく先に観るべき。