本を装備して許されるのはクロロだけ
皆さん本は読みますか?
僕はインターネット上のブログだのnoteだので文章自体は読むんですが、物理的にも電子書籍としても「本を読む」ということはめっきりなくなりました。
まあそもそも無職ですんでね、生活に必要なモノ以外にお金を使うということがほぼないんですよね。いや、よくよく考えれば無職になる前の働いている頃からほとんどモノを買わなかったわ。
なんですかね、なんかこう、お金を使うということに抵抗があるというか、読みたい本とか漫画はそれなりにあるんですけど「いやでも1冊600円か・・・」と考えると躊躇しちゃうんですよね。420円のタバコはバカスカ買うんですけどね。改めて文字にするとバカなんじゃねえかって話ですよね。本を買える値段のものをガンガン買って健康を害してるんですよ。頭が悪いとしか思えない。
でもまあ人間いつ死ぬかわからないし、タバコ我慢して死ぬくらいなら吸って死んだほうがいいんじゃねえのっていうアホの思考で吸ってます。
あと同じような考え方で、どうせいつ死ぬかわからないしあの世に金は持っていけないんだから、たかが数百円~千円程度で自分が興味をもった情報=本なり映画なりに触れることができるならガンガン金を使ったほうがいい、とも定期的に考えるんですが、それでもやっぱりお金を使うことに躊躇しちゃう。まあ無職ですしね。いやでも仮に「宝くじ1億当選!」とかになっても600円の本買うのに躊躇しそう。というか買ったことに満足して読まなそう。
冒頭から本と全然関係ない話をしてしまっているんで閑話休題しますとですね、昔はね、まあまあそれなりに本を読んでいたんですよ。
子どもの頃は「ズッコケ三人組」とか好きでしたし、宗田理の「ぼくらシリーズ」なんて大好きで多分当時刊行されている分は全部読んだと思います。
高校の頃はあんまり本を読んだ覚えがないんですが、10代後半から20代なかばくらいまではなんかめちゃくちゃ読書熱があってかなり本を読んでいた思い出があります。
謎に赤川次郎にハマった時期もありましたし、貴志祐介の「黒い家」「天使の囀り」「青の炎」、重松清の「疾走」とか好きですし、吉野家コピペで有名なNOT FOUNDの新爆さんが推薦してた花村萬月の「惜春」とかまだ手元にあります。村上春樹にドハマリした時期があって、長編小説は「アフターダーク」まで全部読んでました。僕のなかで紀伊國屋って本屋のイメージしかなかったんで、「紀伊國屋でレタスを買ってサンドイッチを作るとか意味わかんねえな。成城石井みたいな文脈なのかな。やれやれだ」って思いながら読んでました。伊藤計劃の「虐殺器官」「ハーモニー」とかの陰鬱な世界観も大好きです。本当に惜しい人を亡くした。
あとは人生で一番衝撃を受けて、一番影響を受けたのは舞城王太郎の「煙か土か食い物」ですね。講談社による紹介でも「圧倒的文圧」と評されている、まさに「文圧」としか言えないような疾走感のある文章は、自分がモノを書くうえでもかなり影響を受けていると自覚しています。「句読点ってセンスなんだ、そんなに自由に使っていいものなんだ」ということにめちゃくちゃ衝撃を受けました。
まあダラダラと自分語りをしましたが、実際のところ「本とは何か」と考えてみると、その本質は「情報」だと思うんです。
本のなかに書かれている文字を読み取り、情報として自身のうちに受け取る。知識として蓄えるもよし、娯楽として感情の変化を楽しむのもよし。
基本的には本は読まなければ意味がないものなのです。
ただ、ときに本は情報媒体以外として使われる場合もあります。
よく見るのは「権威性を出したい」というときですよね。
知識人なんかがインタビューされるとき、本がミッチミチに詰まった部屋で取材されていたりするじゃないですか。
その人が本当にその部屋で生活や仕事をしていて、本当にそれらの本を全て読んでいる場合ももちろんあると思います。
でも、権威性を出すための演出として、「この人はなんかいろんな本がめちゃくちゃいっぱいある部屋で過ごしているんだな。これだけの本を持っている、読んでいるということはこの人はかなり知識を持っている人なんだな。だからこの人の言うことは信用できるな」という印象を視聴者に持たせるために撮影セットとして使われる場合もあるんですよね。
僕が以前勤めていた老人ホームには「今は引退したけどその道の権威」みたいな人がいて、たまーに取材を受けたりしていたんですよ。
で、ホームには応接室みたいなのがあって、そこって無駄にゴツい本棚があって、無駄にゴツい百科事典みたいなのがズラッとしてるんですね。
そうなると当然そこの応接室で、無駄にゴツい本棚をバックに撮影するじゃないですか。取材される人も「私の本棚ですけど」みたいな顔でインタビューされるじゃないですか。そうなると視聴者からすると「あ、この人こんなゴツい本棚がある部屋で生活してるんだ。なんか信用できそう」ってなりますよね。
その人の本当の部屋、脱ぎ散らかしとかでめちゃくちゃ汚いんですけど、本の権威性によって「なんかこの人すごそう」ってなりますよね。いやまあ本当にその道の権威なので実際スゴい人ではあるんですけど。
でもまあこれは本来の使い方ではないにせよ、賢い使い方ですよね。
難しそうな本に囲まれて話をしている人と快楽天に囲まれて話をしている人、どっちを信用しますかって言われたらそりゃ誰だって前者を信用しますよ。快楽天に囲まれた部屋で世界情勢の話とかされても「何いってんだこいつ」ってなりますもん。印象操作、大事。
ただ、どうにもいただけないのがね、「本を装備する」という概念なんですよ。
いや違うな、「本を装備する」まではギリギリわかるんです。ギリギリ許容できる。でも「本を武器スロットに装備する」ってやついるじゃないですか。あれはね、もうバカとしか言いようがない。
本を装備するってのはね、まああの、少年誌に載ってるヤンキー漫画みたいなのでたまに見るじゃないですか。なんかあの薄っすい薄っすい手持ちの学生カバンに鉄板入れて持ち歩いて、他校のヤンキーとケンカするときにこれで殴るんだみたいな話の流れで、ケンカのときに「腹に少年ジャンプ入れとけ!」みたいな話してるのはたまに見るじゃないですか。
これはまだ許容できるんですよ。
だって基本的にはヤンキーってアホの設定じゃないですか。いや、たまに勉強もできてケンカもめちゃくちゃ強いっていうバケモンみたいなやつとか、勉強はできないけどケンカIQはやたら高いっていうキャラクターもいるはいますけど、基本的にはみんなアホじゃないですか。「俺、バカだからよくわかんねえけどよ・・・とりあえずお前をブッ倒せばいいってことだろ!」みたいなセリフを言うくらいにはアホじゃないですか。
だからこそまだわかる。
「分厚い本=防具」という認識で、「防具スロット」で装備をしているならまだわかる。許容できる。
でもね、いただけないのが「武器スロット」で装備する場合なんですよ。
武器スロットで本を装備するキャラって、なんか基本的に賢い系キャラじゃないですか。
学者とか魔法使いとか聖職者とかの、なんか学歴マウント取ってきそうな頭良い系のジョブばっかりで、メガネクイッ系のやつらじゃないですか。
本を「装備してる」ということは、その本が戦闘に於いて、攻撃に於いて重要な役割を担っているということ。んで、こいつらの攻撃方法って大体が呪文とか魔法なんですよね。
あのね、杖とかならわかるの。杖で魔力を増幅させているんだなーってのがなんかわかるのよ。でも本て。
呪文、覚えてないの? ファイア使おうと思ったらファイアのページ開かないと詠唱できないの? パーティの他のメンバーが一生懸命戦っている横で「OKファイアね、ファイアファイア・・・えーっと、確かこの辺に・・・(パラパラパラパラ)あ! これ! いや違うこれFIREだわ! 引退する方だわ! 燃える方燃える方!(パラパラパラパラ) 急げ急げ・・・(パラパラパラパラ)えー・・・『身長170センチ以下の男は人権なし』・・・違うッ!! そのファイアでもないッ!!(パラパラパラパラ) あああああ(パラパラパラパラ)ヤバい(パラパラパラパラ)ヤバい(パラパラパラパラ)ヤバい!!!(パラパラパラパラ)」とかやってるの? アホなの? 付箋つけないの? いやそもそも暗記しないの? ってなるじゃないですか。頭良いですみたいな顔して実はとびっきりのアホなの? って話になるじゃないですか。
BLEACHじゃあ【滲み出す混濁の紋章 不遜なる狂気の器 湧き上がり・否定し・痺れ・瞬き・眠りを妨げる爬行する鉄の王女 絶えず自壊する泥の人形 結合せよ 反発せよ 地に満ち己の無力を知れ 破道の九十・黒棺】っていうそこそこ長めの詠唱を空で覚えてんのよ。ファイア・ファイラ・ファイガ程度だったら本なしで唱えろやって話になりますよ。あたま鶏さんですかって話なんですよ。
んで、そういう本を武器スロットに装備するやつらって、物理攻撃させるとどういう行動取ると思います? あのね、本で殴るの。もう一回言いますけど、本で殴るの。
頭悪すぎるだろ。プリーストだとかアークメイジだとか横文字使ってインテリぶってるけど頭悪すぎるだろ。早稲田大学のテニスサークルみたいな扱いなんか。
確かに分厚い本で殴られれば痛いだろうよ。でも他の仲間は剣とか弓矢で戦ってるわけ。ヤンキー漫画のムカつくセンコーが教科書で頭叩いてくるみたいなレベルで戦ってないわけ。
もうお前らちゃんと呪文覚えろ。空で詠唱できるように頑張れ。そしたら両手があくだろ。そしたら藍染惣右介みたいに斬魄刀持てるだろ。それで物理攻撃できるだろ。
ほんとね、本の本質は情報なんです。
それを理解せず物理攻撃に使用するのはやめていただきたい。
その点HUNTER×HUNTERのクロロはいいのよ。ちゃんと本を本として、きちんと意味を持って装備してるのよ。でもそのクロロですらやっぱり両手を使いたいがために「栞のテーマ」って能力を身につけてるからね。
本を装備してるインテリジョブどもはちゃんと呪文を覚えてほしい。
インテリぶりたいからって本を武器スロットに装備するのはやめてほしい。
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