打つAPEXから打つAPEXへ
そんなわけでSEKIROをやりたいんですけど、せめてsteamのセールで50%オフにならないと手が出ないなってことで次のセールを待つ間、なにか他のゲームをしてみようかなと思ったんです。
steamには他にも気になるタイトルがたくさんあったのでセールで割引率が高いゲームを買うってのも手だったんですけど、やってみたいゲームとして無料で配信しているAPEXっていう作品があるんです。
APEXはオンラインバトルロワイヤルFPSで、普通にプレイするには完全無料。
もちろん課金要素もあるんですが、課金しなければ手に入らないのは武器とかキャラクターのスキンだけ。
課金すればすぐに使えるキャラクターも、プレイし続けてレジェンドトークンと呼ばれるものを貯めていけば無課金で開放できる。
こいつはいいやってことで、かるい気持ちでAPEXを始めてみたんです。
かるい気持ちで始めたAPEX
僕はオンラインゲーム自体はやったことがあるんですが、FPSは初体験。
FPSというのは「ファーストパーソン・シューティングゲーム」の略称で、操作するキャラクター本人の視点(ファーストパーソン)で操作し、銃やら武器やらで敵を倒すというもの。
個人的にはチマチマと銃の照準を合わせて攻撃して外れただの当たっただのってのがまどろっこしく感じて、手がでなかったんです。
もっとこう、ストリートファイターみたいな、手をだしゃ当たるみたいなそういうゲームのほうが安心感があるし、そもそも一人称視点が気に食わない。ゲームをやるなら三人称視点が良い。
とはいえAPEXは無料でできるので、まあちょっとやってみて気に入らなかったらすぐ削除すりゃあいいやって感じで始めてみたんです。
でも、これがいけなかった。
完全にapex中毒者と化す
もうね、なんていうんですかね、今や完全に中毒者ですよ。
常にAPEXがやりたくてしょうがない。
仕事しててもAPEX。老人の尻を拭いていてもAPEX。こうやって文章を書いているこの瞬間もAPEXがやりたくてしょうがない。
APEXってのは、3人組20チームが飛行機から任意のバトルフィールドに降り立って、そこら中に落ちてる武器を手にとって片っ端から他のプレイヤーを殺していくっていう、明らかに青少年の健全な育成に悪い影響を与えるゲームなんですけど、このゲームがやりたくてしょうがなくなってるんです。
なんなんでしょうね。
プレイしていて「めちゃくちゃおもしろい!」って考えてるわけではないんですよね。
むしろプレイ中は「えっどこどこどこ?武器欲しい武器欲しい。あっ敵いる敵いるアッー!打たれてる打たれてる死ぬ死ぬああああああ!!」みたいな感じなんですよ。
プレイしていて「あー楽しいなあ!」って思ったことは今のところ1度もない。
もうね、不安と恐怖とやったろうかい!って感情が入り混じって混沌とした心持ちでプレイしている。まさに敵地に乗り込む兵士の気分。だけどやりたくてしょうがない。ランボーみたいに「俺の戦争はまだ終わっちゃいない!」とか言いそうになる。
降りる地点を誤ればすぐに他のチームに殺されるし、武器を揃えて戦っても殺されるし、何もしてなくても殺されるし、チームメイトはサクサク進んでいっておいていかれてそこを敵に見つかって殺される。ただただ殺されるだけの悪夢のようなゲーム。
でもその度に「んぁああ死んだ!!もう1回やるゥ!」ってなるんです。
僕がまったく邪魔をせずただ淡々とチームメイトについていったりすると、極稀に自分たち以外のチームがすべて倒されて1位を獲得した状態「チャンピオン」となり、「やったーゲームクリア!」となることがあるんですけど、前述の通り僕は何もせずただ淡々とチームメイトについていってたまに当たりもしない銃を少しばかし敵に向けて発砲しただけなので、それで「おめでとう!チャンピオンです!」って言われても全然ピンとこないわけですよ。
全然「やったぜ!チャンピオンだ!」ってならないわけです。なぜって僕は淡々とチームメイトの後ろを付いていっただけだから。
そんなわけだから当然「んぁああ釈然としない!!もう1回やるゥ!」ってなるわけなんです。
勝とうが負けようがAPEXをやり続ける。まさに中毒。
完全に光と音とアドレナリンにヤラレてる状態。
パチンコ中毒の人ってこういうことなんだろうなって思う。
APEXの覚醒効果が尋常じゃない
僕は仕事柄、17時間勤務の夜勤っていうベトナム戦争みたいな勤務をこなすことがあるんですが、この夜勤が終わったあとってもう絶望的に眠いんですよ。
帰りの電車で寝落ちしてしまって降りるべき駅を通り過ぎるなんてことを何回もしている。とにかく眠い。帰るために歩くのすら億劫。心の底からどこでもドアがほしい。
そんな状態になるんです。
そんな感じで命からがらに帰宅して、とりあえずシャワーとか浴びるじゃないですか。
そんでとりあえずビールとか飲むじゃないですか。
そうなるともう意識を失いそうになるくらいに眠たくなるじゃないですか。
「あーこれすっげえ眠いなー」ってなるんですけど、この時点で昼の14時とかそこらなわけで。ここで寝るのは少しもったいないなーとか思うわけで。
そうすると「ちょっとだけAPEXやろうかな」となるわけなんですよ。
で、気づくと夜の20時とかになってるんです。
は?ですよ。
ほんと、始めるときは「本当に少しだけ。2戦くらいしたら寝よう。ていうかマジでシャレにならんくらい眠いし」とか思ってるんですけど、気づいたら6時間くらいAPEXやってるんです。どうなってるのこれ?悟り開いてるんじゃないの?って思っちゃう。
そんで恐ろしいのが、20時になっても全然眠くなくなってるってことなんですよ。
14時にはあんなに眠たかったのに、6時間後には眠くなくなってるんですよ。おかしいでしょ。絶対APEXの中に良くない成分が入ってますよ。覚醒を促す人体に良くない成分が入ってますよ。ヤバいやつだよ、これ。
打つAPEXから打つAPEXへ
人体の覚醒を促すヤバいブツ、APEXなんですけど、このヤバさはゲーム内の描写にも現れているんです。
ゲーム内では操作するキャラクターが敵に撃たれると体力が削られるんですけど、この体力を回復するアイテムってのが用意されています。
これを使用すると、キャラクターがアイテムを使う描写が入るんですけど、これがなんか危険な香りがするんです。「あれ…?それって…?」ってなる描写なんです。
というのが、回復アイテムはなんか注射型のキットなんですけど、キャラクターがそれを思いっきり前腕に打ち込むんです。
「やばい、すげー打たれた。回復しなきゃ」ってアイテムを使うと、懐から注射器のようなアイテムを取り出してきておもむろに腕に打ち込む。そして元気になる。
絶対ダメじゃないですか。
ダメ!絶対!じゃないですか。
こんなもん絶対規制される。
描写もそうだし、プレイするだけでプレイヤーがこんなに覚醒するゲームなんて危険すぎて完全に規制対象ですよ。
今はまだ脱法APEXみたいな状態だと思うんですけど、近い将来絶対プレイできなくなる。「ウチの子が『殺そうと思えば簡単に殺せた。この山では俺が法律だ』みたいなことを言いながらこのゲームをかれこれ18時間やりつづけているんです!」みたいな通報が入ってくるに違いない。
でもそうして規制されてしまうと、困るのは僕たちAPEX中毒者ですよ。
僕なんて今こうして文章を書いていてもAPEXをプレイしたくてしょうがないですし、ていうかさっきちょっとプレイしてきましたし、ここでAPEXが規制されるのは非常に困る。
僕は近い将来、APEXはゲームという形態ではなくなるような気がします。
「表現が良くない」として規制されたAPEX。巷からはAPEXが消え去ります。
そしてAPEXはシューティングゲームというかたちではなくなり、キャラクターたちのように腕に打つものへ。
APEXを腕に打つと高揚感と不安感、緊張感が押し寄せてきて、アドレナリンがドバドバと出て覚醒度がブチ上がる。
そう。
打つ(ゲーム)としてのAPEXから、打つ(物理)としてのAPEXへと変貌を遂げる。
僕にはそんな気がしてならないのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ゲームをやりすぎるとこのような頭のおかしい文章を書くようになってしまいます。
皆様もゲームは節度を守って楽しみましょう。
この記事の内容はすべてフィクションです。実在の団体、ゲーム、名称とは一切関係ありません。