本能を呼び覚ます、お惣菜半額タイムセール
こんにちは、たくろうです。
僕達は毎日の食事の準備に悩みます。
昨日は肉を食べたから今日は魚にしようかしら。
いや、最近野菜が少ないから野菜多めの何かを作ろうかしら。
野菜をたくさん摂るにはどんな献立が良いかしら。
でもやっぱりたんぱく質も必要よね。
僕もそんなことをなんとなく考えながら毎日の献立に悩みます。
そしてある時こう思うのです。
「あ、もうそろそろスーパーのお惣菜半額セールが始まる」
近隣住人を狂乱に叩き込む、お惣菜半額セールタイム
僕達は「半額」という言葉に心惹かれます。
半額ですよ、半額。
普段売ってる額の半分で同じものが買えるんですよ。
いつも買っているあのイカフライもハムカツも、今なら50円で買える。
フライ系を買いあさってビールをあおったら最高の気分になれるんだろうなあ。
いや、普段手の出ないあのお寿司だって、もしかしたら売れ残っているかもしれない。
刺身だってもしかしたら売れ残って半額かもしれない。
そしたらそれをアテに日本酒なんて飲んじゃおうかなあ。
僕の足繁く通う近所のスーパーはマグロが旨くて安いんです。
1サク980円とかで売っているんですが、これが驚異的に旨い。
海鮮に自信がある系の居酒屋でもこんな旨いマグロになかなか出逢えない。
そんなマグロ1サク980円が、ごく稀に3パック重なって980円で見切り販売されていたりするんです。
これはもうハイパーインフレとしか思えない。
このスーパーだけ時空が歪んでバブル期に突入しているとしか思えない。
それか値付け担当者がピエール瀧みたいになってるとしか思えない。
そんな狂気の値段設定で取引が行われる、近隣住民を狂わせる魔の時間帯。
それが「お惣菜半額セールタイム」なんです。
近隣住民を絶望の奈落に堕とす、お惣菜半額セールタイムの闇
しかしこれは、一歩間違えれば今夜の食事が残り物になるかもしれないという諸刃の剣でもあります。
というのは、お惣菜半額セールタイムとは、言い換えると閉店間際のセールであるということです。
要は「もう今日中に売ってしまわないと明日には売り物にならないから、原価のモトさえ取れればいいから叩き売ってやろう」という話。
つまり、半額のお惣菜を目当てにスーパーへ行くのは良いけどそこで半額のお惣菜が他の客に既に食い尽くされていたとしたら……。
閉店間際のスーパーでは、閉店準備で色々な品を撤収している場合があります。
また、肉や魚などは昼間の売れ残りだけになるので、これといった品が残っていない場合も多々あります。
その場合、もはや僕の食事は冷凍枝豆を解凍してビールをあおるしかないというわけです。
まあ、それも最高っちゃ最高だけどね。
半額のフライや寿司や刺身をゲットしてパーティをするか、冷凍枝豆を狂ったように解凍するか。
まさにLive or die。Hell and heaven。
これがお惣菜半額セールタイムの闇と言えます。
僕らの本能がお惣菜半額タイムセールを求める
「じゃあ昼間に1度スーパーで普通に買い物をして、その後タイムセールの時間にまたスーパーへ行けばいいじゃない」
そんなぬるま湯に浸かりきった、温泉地域に行って足湯で満足して帰ってくるに等しい事を仰る腑抜けた方がいらっしゃるかもしれません。
そうじゃないんです。
お惣菜半額タイムセール、それは戦いです。
僕らに残った狩猟民族の血が騒ぐんです。
まだ地球上にも、狩猟により生活の糧を得ている民族は現存しています。
彼らは自分の腹を満たすため、そして家族や村のために狩猟を行います。
もちろん獲物が取れない場合もあります。
しかし獲物が取れればそれは大きな名誉となるのです。
「彼は村で1番イノシシを獲るのが上手い」
「彼は村で1番弓が上手い」
それは彼らにとっての誇りです。
同じように僕らも、獲物を獲得できれば大きな満足度を得ることが出来ます。
「半額の寿司を3パックもゲットできた」
「今日はうな重が半額で出ていた。これはレアだ」
「来た! マグロサク3パックまとめ売り980円!!」
これらは僕らにとっての大きな名誉になります。
そしてこのような名誉を手に出来るかどうか、それは自然との戦いです。
「今日は雨か……。これは”来る”な」
(雨の日は客足が少ないからか、早い時間から半額セールが開始され、また、品物が潤沢に残っている場合が多い)
「土曜か……。土曜はやつら(店員)は出し惜しみをするから今日は”なし”だな」
(週末や祝日は寿司などが良く売れるのか、ほとんど半額にならずに閉店となる)
など、自然の法則を読むことが重要になるのです。
自然界(お惣菜半額タイムセール)の掟「食べる以上に獲ってはいけない」
自然界(お惣菜半額タイムセール)に生きている以上、その掟には従わなければなりません。
すなわち「食べる以上に獲ってはいけない」ということです。
獲物がたくさんある時、我を忘れて必要以上に獲ってしまいがちです。
これも安い。これも半額。ああ、こんなにオトク。
そうして許容量を超えて狩猟した結果、食べきれず捨てることになります。
特にマグロサク3パック980円などは、そのレア度に感極まり、出逢えたことに興奮してついつい手を伸ばしがちです。
しかし本当にサク3パック分を消費できるのか。
1サクは刺身、1サクは漬け、1サクはフライに、など、きちんと消費計画を立てられる状態で狩るべきです。
例えば「明日は飲み会があるから夕ご飯は家で食べない」
なんて時にみだりにマグロサク3パック980円に手を出してしまうと、1パックは無駄にしてしまうことになります。
僕らは雄大な自然に育まれています。
あなたが「マグロ3サクは消費しきれないな」と考え狩らなければ、他の誰かがマグロサク3パック980円という感動に立ち会うことができるのです。
快楽のために殺生をするのは人間だけといわれています。
全ての獲物に感謝の心を忘れず、みだりに狩猟をしてはいけないのです。
自然界(お惣菜半額タイムセール)に感謝の心を忘れずに
僕らは生きるために毎日食事をします。
時には料理をするのが面倒くさくなり、ちょうど良い時間だからと自然界に狩猟をしに行くことがあると思います。
その恵みは地球(スーパー)の恩恵であり、自分ひとりのものではないのです。
獲物がたくさんあるときこそ節度を守り、自然に感謝して、半額に感謝してありがたく頂きましょう。
今日は寿司パック2つを連れて帰りました。
これから日本酒でパーティします。