『鶏と魚・お兄ちゃん』が閉店してた。これ絶対コロナのせいだよ。

もうね、コロナが憎いんです。
新型コロナウイルス、こいつが憎くて仕方がないんです。

こいつのせいで、社会は一変しました。
どこに行くにもマスクを着用。
保育園や幼稚園、学校は休校、会社はリモートワーク。

僕は介護士なんでリモートで利用者さんの世話とかできるはずもなく、「はい、田中さんどうしました? え? トイレ? じゃあまずベッドから足を降ろして、ベッド柵に掴まって上体を起こして、靴履いて、うん、しっかりカカト入れて、次は左手で車椅子の奥側の肘置きを掴んで……」とかできるはずもなく、普通にコロナにおびえながら通勤して。

ていうか職場でもマスクが足りなくなって、普通に不繊維のやっすいマスクなのに「1枚あたり3日間は使用してください」とかわけのわからないこと言われて。

酒飲みである僕らが愛してやまない居酒屋にも行けなくなって、個人経営の居酒屋や飲食店は苦肉の策としてテイクアウトを始めたりして。

やっとこさ感染拡大が一段落したから経済を回しましょうってことで、ようやく普通に飲食店も店を開けることができて、僕らも大手を振って今までいけなかった居酒屋へ行けるぞってことで酒を飲みに出かけることができるようになって。

そんなわけで、コロナ禍で行けなかった大好きな居酒屋へ行こうと思ったんです。

『鶏と魚・お兄ちゃん』は正真正銘のコスパ良好居酒屋

神奈川県は横浜市横浜区、新子安駅と大口駅どちらからもアクセス可能なもののどちらからも徒歩10分程度という、決して良い立地とは言えない場所にその店はありました。

『鶏と魚・お兄ちゃん』

この居酒屋は本当、スゴい店なんです。
マジで神なんです。
本当にコスパが神なんです。

皆さんって、結構気軽に「コスパいいわ~」とか言うじゃないですか。
何の気なしにコスパについて良いとか悪いとか言うじゃないですか。

あのね、ちょっと断言しちゃうけどね、君たちはまだ本当のコスパを知らないね。

この鶏と魚とお兄ちゃんを知らずに「コスパがいい」とか、ほんともう井の中の蛙もいいところ、大海を知らなすぎなわけ。大海を知らないっていうかまず水溜りも見たことがないレベル。蛙のくせに水溜り知らないとか君どうやって産まれてきたの? おたまじゃくしの時代すっ飛ばしちゃった? え? ほんとに? それはそれで凄くない? もっと自分を誇っていいいよ。自分に自信を持って! って話なわけ。全然関係ない話しちゃったけど、それくらいコスパがやばいわけ。

僕もまあ酒飲みを十数年続けてきたわけで、まあまあ人並みには居酒屋に行っているわけですよ。

ここはまあ価格も味も普通だなあとか、ここは安くてそれなりだなあとか。
昔友達と2人で4,000円しか持ってないのにまかり間違って居酒屋北海道に行っちゃって、ビール650円に震え、ツマミもほとんど500円以上という価格設定に震え、ほうほうの体で逃げ帰った思い出とか、それなりに色々な居酒屋に行ってきたわけですよ。

その十数年の経験の中で、コスパ良好のトップに君臨するのがこの『鶏と魚・お兄ちゃん』なんです。

『鶏と魚・お兄ちゃん』はドリンクのコスパがスゴい。

僕はまあつまらない人間ですけども、それでもひと1人の人生経験の中で一番ですからね。
十数年の中でトップのコスパですからね。
これはなかなかのモンですよ。

コスパと言いましても、ただただ安くてコスパが良いとされている店もあるじゃないですか。
「オラ、生ビール190円やで! 泣け! 喚け!」みたいな、価格の安さで威嚇してくるようなお店もあるわけですよ。

でもね、『鶏と魚・お兄ちゃん』は違うんです。
そんな安さだけでキャンキャン喚きまわるそこらのコスパ店とはまさしくレベルが違うんです。

実際に価格を見ていきましょう。

  • 生ビール320円
  • サワー各種280円
  • カクテル各種280円
  • ハイボール各種280円
  • ホッピーセット320円
    ナカ150円
  • 果実酒各種280円

なかなか良い感じっすよね。
ていうか生ビール320円って時点でけっこう好感触ですよね。
「おっ、わかってるね」感ありますよね。

サワー類の種類もけっこうありまして、緑茶ハイウーロンハイから、レモンサワー、カルピスサワー、キウイサワーやガリチュウまで。
炭酸NGな方もニッコリできるラインナップを揃えています。

驚きなのがカクテルもすべて280円ってところで、なかなかカクテルが280円の店ってないんですよ。
こちらもカシス、ピーチ、ウォッカ、シャンディーガフまで取り揃えられています。

そしてハイボールも順当に角ハイボールから始まり、ジンジャーハイボール、コークハイボールと、このあたりはまあわかるんですが、なんかクエン酸ハイボールとかキウイハイボールとかあるんですよ。すごい。サワーのラインナップそのままハイボールに適用してる。

日本酒とか焼酎もそれなりに取り揃えられていて、大体300~500円前後で飲めちゃう。

恐ろしいのが、日替わりでサービスドリンクってのがありまして、日本酒1合とか焼酎1杯が199円で飲めたりするんですよ。
日本酒1合で199円ですよ、1合で199円。ワンカップ買うより安いとかどうなってんの。
きみんち、蛇口ひねったら日本酒出てくる家なの? 業者紹介してくれない? うちもそれやりたいから。

『鶏と魚・お兄ちゃん』は何を食べても美味しい上にコスパが最高

こうなってくると大体「ああ、ドリンクは安くして食べ物で稼ぐタイプのアレね」となるんですが、『鶏と魚・お兄ちゃん』はそんなコスいことはしません。
食べ物のコスパにも全力投球。

酢モツとか大好きでよく頼んだんですけど、値段が280円なんですよ。
酢モツで280円っていうと、大体これくらいのサイズかなって考えるじゃないですか。
ちょっと考えてみてもらっていいですか。
「酢モツ 280円」で脳内検索してもらっていいですか。

いいですか? 出てきました?
この店の酢モツはね、それの倍量くらい出てきますから。
具体的に言うと、2人で分けて丁度よいくらいのサイズ感で出てきますから。

もうこの時点でホクホクなんですよ。
茹でられた豚ガツ(多分)がたっぷりのたまねぎと一緒にポン酢で和えられて出てきて、280円で2人前ですからね。
そりゃホクホクですよ。

店名に「鶏と魚」と銘打っているだけあって、焼き鳥も刺し身も全部美味しい。

数量限定のレバーなんて、ネットリして濃厚で、これだけで痛風になっても惜しくないくらい美味しいんです。

串盛り合わせ(6本)ってのがあって、(ちょっと値段忘れちゃったんですけど多分600円くらい)これを頼むと何故か串が9本運ばれてくるんです。
串盛り6本頼んだのに勝手に串盛り9本になってるんです。値段は6本のまま、3本串が増えてるんです。もはや狂気を感じる。コスパに命を掛けてるとしか思えない。

刺し身だって単品280円で、「3切れくらいかな」とか思ってると普通に7切れくらい乗っかってきますからね。しかも鮮度良くて美味しいですからね。

例えばこの刺し身単品280円と日替わりサービスドリンクの日本酒1合199円で500円ですよ、500円。酢モツもつけてサービスドリンクおかわりしてやっと1000円ですよ。
ガチのせんべろっすよこんなもん。まじでベロベロにしてやろうって気概をギンギンに感じますよ。

完全に神。
神の居酒屋ですよ。
ヴァルハラですよ、ヴァルハラ。
なんかよくわからないけどヴァルハラですよ。

そんなヴァルハラである『鶏と魚・お兄ちゃん』にですね、久々に行こうかなと。
最後に行ったのは去年の冬だったかなあ、久しぶりだな、とか思いながらウキウキしてたんです。

でも待てよ、そういえばこの店ってちょいちょいすんなり休んだりするよなと。

この居酒屋はすべてテーブル席で、席数が6席くらいしかない完全な家族経営。
店長である旦那さんと、奥さんであろう東南アジア系の女性の2人で切り盛りされています。そこに男の子(多分4~5歳くらい?)の子がいて、お客さんが少ない時にテーブル席で家族団らんとかしてて「あ、なんかすいません」ってなったりする実家感のあるお店。

普通に「子供が熱を出したので今日はお休みします」みたいな張り紙がされてたりするんです。うん、全然休んで良いと思う。お大事にねって思っちゃう。

そんなお店なので、このコロナ禍もあるしやってるかなあと思いつつググってみたんです。

「閉業」

は?

神のコスパを誇る『鶏と魚・お兄ちゃん』が閉店してた

「鶏と魚・お兄ちゃん」が閉店してた
Googleでの「鶏と魚・お兄ちゃん」検索結果

いやいや、「は?」ですよ。
閉業? 休業じゃなくて閉業? やめちゃったの? マジで?

実際、店舗も見に行ったんですが、看板だけ残っていますけど、店舗の中はガランとして何もない状態。

信じられない。ほんと信じられない。
もうあの神のコスパを堪能することはできないの?
串盛り6本って書いてあるけど、これ6本の値段で9本出てくるんだぜ、意味わからなくない? とか言いながら串盛り注文することもできないの?

もう9本じゃなくていいから。
普通に6本出てくればいいから。
だから営業して、お兄ちゃん。

本当にね、コロナが憎くて仕方がない。

『鶏と魚・お兄ちゃん』の閉店って、絶対コロナのせいじゃないですか。
コロナのせいで居酒屋は壊滅的な打撃を受け、収入を失った『鶏と魚・お兄ちゃん』は閉店せざるを得なくなったわけですよ。

公式なコメントはなにもなく、「あー、きっと開店当初に作っとくだけ作っといたんだろうな」っていう公式サイトはあったんですがそちらも既に消滅しているので、実際にはどういう理由なのかは知るすべもないのですが、間違いなくコロナの影響はあったじゃないですか。

コロナが憎い。
愛すべき『鶏と魚・お兄ちゃん』を閉店に追いやったアイツが憎い。

せめて、店長も奥さんもお子さんも、コロナに感染したわけではないと思いたい。
経済的な理由で閉業しただけだと思いたい。

いつかまた元気に、どこかで居酒屋をやってくれると信じたい。

2人で5,000円くらい握りしめて行けば酒池肉林の豪遊ができる驚異のコスパを誇る居酒屋を、またどこかで開業してくれると信じたい。

今までありがとう。
本当に、大好きでした。

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Posted by たくろう