【レシピ】ドクダミジェノベーゼを作ってみたら予想通りの味だった
ドクダミってあるじゃないですか。
そう、あのところ構わず生え散らかして、しかも臭い、あのドクダミ。
うちの裏んところにも他の草木を寄せ付けない圧倒的繁殖力で群生してて、一大王国を築いているんです。
で、そんなドクダミなんですけど、先日Twitterにてこんなツイートを見かけたんです。
繁殖しまくって嫌われるドクダミ、今までは天ぷらにしていたけど、ジェノベーゼにするとかなりうまい。 pic.twitter.com/1ge4Pr4nNY
— ほそいあや (@hosoi) May 27, 2021
は? ですよ。
ドクダミですよ、ドクダミ。もう1回言いますけど、ドクダミですよ。
天ぷらにしてたってのも中々の衝撃ですけど、ジェノベーゼ? ジェノベーゼにするの? しかもそれがうまい? ただうまいじゃなくて「かなりうまい」?
おいおいマジかよ。
絶対ウソやん。
そんなの絶対マズいに決まってるやん。
で、でもよ? 絶対マズいに決まってるけど、でももしかして、万が一があった場合。
僕が今まで知らなかっただけで、「あのドクダミがジェノベーゼになるとこんなに美味しい食べ物になるなんて!!」っていう奇跡的な現象が観測されていた場合。
ドクダミなんて家の裏にしこたま生えてるんで取り放題なわけ。そんなドクダミを使って「かなりうまい」パスタが食べられるってんならこれほど嬉しいことはないわけ。それなら試してみる価値はあるんじゃないの? って話なわけ。
よーしよし、そんなに言うんならやってみようじゃないの。
「かなりうまい」ドクダミジェノベーゼを作ってやろうじゃないの。
そんなわけで、僕はホイホイドクダミを取ってきちゃったのだ
家の裏にはこのように威圧感すら感じるほどのドクダミ群生地が存在しています。
いやすごいもん。ドクダミの霊圧が強いもん。「何人たりとも寄せ付けぬ」って気概がプンプンしてるもん。
ていうか実際ドクダミの臭気もプンプンしてるもん。くっせえ。
これから僕はこれを食べるんでしょ? いやあ、うまくなる気がしないね。くっせえもん。
でまあ、とりあえずこれだけ取ってきたんですけど、やっぱくっせえ。
すでに手がドクダミにやられてる。手がドクダミくせえ。
もうなんか不信感しかないんですけど、とりあえず花みたいなところを切り落としてザブザブ洗います。
くっせえ。
すごい。ドクダミの存在感がすごい。
手がドクダミになった。手からドクダミが放たれてる。
いやこれは無理だよ。「かなりうまい」ジェノベーゼにはならないよ。
無理だよ無理。
ドクダミジェノベーゼの作り方
この時点でかなりやる気が萎えてるんですけど、ドクダミに手を染めてしまったのでもう後戻りはできない。
やるしかない。
やりきるしかないんだ。
唇をぎゅっと結んで、調理をすすめます。
- ドクダミ(穂先の葉)・・・適量
- にんにく・・・3カケ
- ピスタチオ・・・適量
- 塩・・・小さじ1杯
- 粉チーズ・・・大さじ1杯
- オリーブオイル・・・100cc
正直分量はかなり適当です。
にんにくは普通のバジルなんかを使う場合、おそらく1カケとかでいいんだと思いますが、なにせ今回はドクダミです。少しでもこの臭気を緩和してもらいたい。ドクダミに立ち向かっていただきたい。がっぷり四つに組んでいただきたい。そんなわけで3カケとさせていただきました。
木の実は本来松の実を使うようなのですが、松の実を常備してる家庭ってそんなに多くないと思うんです。僕の家もご多分に漏れず常備してないので「ナッツ類ならまあなんでもいいやろ」精神でピスタチオとさせていただきました。
こちらのピスタチオも、ドクダミの臭気を少しでも緩和してもらいたい一心で少し多めに使っています。
頑張って。にんにくとしっかり連携してドクダミを抑え込んで。
材料をフードプロセッサーでガーすればドクダミジェノベーゼ完成
作り方自体はもう絶望的に簡単。
材料をすべてフードプロセッサーにぶち込んでガーすればいいだけ。
様子見つつ30秒くらいガーしてたらできます。
ガーするだけで出来上がります。
出来上がって、しまいます。
で、これが噂のドクダミジェノベーゼ。
おっ、でもなんだろう。ファーストコンタクトはなんかこう、ジェノベーゼっぽい良い香りがする。あれ? なんで? すごい意外。
にんにく、ピスタチオが良い仕事してる。しっかり抑え込んでくれてる。
オリーブオイルもしっかり良い匂いを出してくれて、ほんとなんかジェノベーゼ感あぅるぉあっ
くっせえ。
ドクダミの野郎、潜んでやがった。
にんにくとピスタチオとオリーブオイルに隠れて侵入して内部から崩壊させるタイプのやつだこれ。
にんにくとピスタチオとオリーブオイルはまだ頑張ってる。頑張ってくれてる。心まではまだ堕とされてない。でも圧倒的なドクダミの悪の力に抗いきれず体は改造されてドクダミのオーラを醸し出してる。「おぉっ! 体改造しちゃらめぇっ!(おおおぉっ! すごいっ!体がおかしくなりゅうぅ! でもっ、でも、心まではドクダミには渡さないっ!!)おおぉあああっつ!!」みたいな感じになってる。
いやーこれは無理でしょ。
この臭い出しながら「かなりうまい」は無理だよ。
無理があるよぉ。
希望を捨てず、ドクダミジェノベーゼをパスタと和える
それでも。
それでももしかしたら、パスタと和えたら奇跡的に調和して「かなりうまい」パスタに変身するのかもしれない。
すべてのバランスが保たれて、戦争もなくなって、みんなが笑顔で暮らせる世界になるレベルの奇跡の調和が発生するのかもしれない。
そうだ。
にんにくもピスタチオもオリーブオイルも頑張ってくれてる。
ドクダミの臭気に侵食されながらも、「イタリア人はいつでも情熱とアモーレをもってるんだから!」「うん! ドクダミなんかに負けない!」「んおぉっ! ドクダミ入ってくりゅううぅ!!」みたいな感じで頑張ってくれてる。誰か負けてるやついるけど、基本的には頑張ってくれてる。
にんにくとピスタチオとオリーブオイルのためにも、そして、奇跡の調和が発生して世界平和につながる可能性を信じて、僕、パスタと和えるよ!!
さあ! 両選手が和わさってまいりました!!
見た目はすごい美味しそう。全然ふつうにジェノベーゼしてる。
いやまあジェノベーゼという料理のカテゴリにいらっしゃるから当然ジェノベーゼしてるんだけど、なんていうかね、あの、臭いがやっぱりね、ジェノベーゼしてないのよね。全然イタリアしてないのよ。すげぇ家の裏の臭いするもん。完全に日本。完全に日本のドクダミ群生地。全然アモーレしてない。
ま、まあでもね、食べてみたら奇跡が起きるかもしれない。
唾液と反応することでめちゃくちゃ美味しくなって脳内麻薬が分泌されて最高にハイになれるかもしれない。
白目剥きながら「アモーレwwwwwwww」とか叫びだすかもしれない。
それくらい美味しいかもしれない。
奇跡のように美味しいかもしれない。
そんな奇跡、起こってください。
ドクダミジェノベーゼを作ってみたら予想通りの味だった
いかがでしたでしょうか?
いやまあ、こうなることはわかっていたんですよ。
ジェノベーゼの美味しさって風味じゃないですか。口いっぱいに広がるバジルの匂いを楽しむ食べ物じゃないですか。
ドクダミの風味が口いっぱいに広がるのを想像してみてください。かなり厳しいと思いません? 食べてる最中はもちろんドクダミ。食べ終わっても今度は胃の中からドクダミ。もう「んおぉっ!」って言うしかないもん。「ドクダミ入ってくりゅうぅぅ!!」って言うしかないもん。
完全に予想通りでした。予想通りの味でした。
正直、僕は全く好みの味ではなかったんですが、もしかしたら「この風味がたまらない!」って人はいるのかもしれません。
パクチーなんかも僕は全く好みではないんですが、「この風味がたまらない!」って人はいるじゃないですか。
タイなんかでは魚料理のハーブとしてドクダミを使ってるみたいですし、好きな人は好きなのかもしれない。
あと反省点としては加熱をしなかったことですかね。
私のレシピは、ドクダミの葉、オリーブオイル、にんにく、松の実、塩、お好みで味の素をフープロに入れガーしてパスタと絡め炒めるというものです。にんにくと調理することでドクダミ香が和らぐけど、ドクダミ苦手な人はやらなくていいかも。
— ほそいあや (@hosoi) May 28, 2021
ツイ主さんのレシピでも「パスタと絡め炒める」と書かれています。
ドクダミは加熱すると臭気が和らぐとのことなので、「絡め炒める」という工程が実は最重要だったのかもしれない。
もしくはフードプロセッサーに入れる前にドクダミを一旦茹でるか……? いや、ジャバジャバになりそうだしなあ……。
もし何かの機会でまたドクダミジェノベーゼを作る機会があったら、今度はソースとパスタを絡め炒めてみようと思います。
ここまでくそみそに言っておいてまた作るとかキチガイかなって話ですけど。
ということで、ドクダミジェノベーゼを作ってみたら予想通りドクダミ群生地の味がした、というお話でした。