清春の歌い方を「忘却の空from『Covers』」で学ぶ
こんにちは、たくろうです。
あくまで個人の感想ですが、カラオケで歌うのが難しいアーティストとして完全無欠の独走トップが清春だと思います。
ONE OK ROCK だとか Official髭男dism だとかは、ハイトーンすぎてそもそも声が出るか出ないかという難しさです。
しかし、音域はそこそこなのに歌唱法とか雰囲気で全然歌えない。
歌えないというか、歌おうと思えば歌えるんですよ。音域も初音ミクみたいに乱高下しないですし。音をなぞるだけなら全然イケる。
しかし、「音域は出るから大丈夫」という安易な考えで歌うとそのカラオケルームの空気が事件レベルに悪化するという悪魔のような男。
それが清春。
今回はそんな清春について
- 何故清春の曲を歌うのが難しいのか
- その中で比較的歌いやすい「忘却の空」の歌い方
- カバーを聴くことで清春の歌い方がわかりやすくなる
という項目を書いていきたいと思います。
何故清春の曲を歌うのが難しいのか
清春は「黒夢」「sads」といったロックバンドのボーカルとして活躍していました。
今は黒夢、sadsともに活動休止の状態で、ソロとして活動をしています。
そもそも初期の黒夢はヴィジュアル色の強いロックバンドで、当時から特殊な歌い方というか、良くも悪くも「何言ってるかよくわからない」的な歌い方でした。
水曜日のダウンタウンとかでもイジられてましたね。
清春は慢性鼻炎だそうで、その持病も声質というか歌い方のクセの要因になっているのでは? と思ったり。
その後パンクロック期があり、sadsへ移行してグラムロック? 的なものをやったりと、ロックのジャンルをひととおり舐めてきたんじゃないかなあと。
だからというわけではないと思うんですけど、かなりテクニカルな歌い方をするんですよね。
それに加えて独特の声質と歌い方。
更にあの超絶にイケメンの風貌と雰囲気。
もはや逆に同じように歌えというほうがムリ。罰ゲームレベル。
清春の歌い方がテクニカルで難しいということは、練習に最適?
しかしですよ、逆に言うとそんなにテクニカルだというのであれば、歌えるようになれば歌が上達したといえるんじゃないかとも思ったんですよ。
あの腰が抜けるほどのイケメンっぷりと妖艶な雰囲気を出すのは無理だとしても、テクニック的な側面を練習することによって歌が上達するんじゃないかと。
その結果、なんとなく清春っぽく歌えるようになるんじゃないかと。
そんなわけで、清春が良く使うテクニックを聴き取れるだけとりあえずまとめてみました。
- シャウト
- ファルセット
- ヘッドボイス
- クレッシェンド
- ウィスパーボイス
- ミックスボイス
……多くねえっスかね。
ミックスボイスはもはやみんな使ってるものなのでそれはそれとして、多くねえっスか。
まあそれぞれの発声方法を技術として使えても、それを清春のようにまとめあげるのが難しいのよね。
清春の歌う曲って、あの人だから成立しているようなもんだし。
いやいや、弱気になるな。
わかってる。清春になれないことなんで骨の髄からわかってる。
ただただ、上達のために清春を練習するだけなんだ。
そんなわけで練習のための曲を選んでいたんですが、まあ、ほら、最初からあんまり難しい曲を選んでも挫折しちゃうじゃないですか。
徐々にコツを掴んでいかないと、心が折られちゃうじゃないですか。
なので、比較的簡単、かつメジャーな曲にしようと思い、「忘却の空」で練習してみることにしました。
ほら、比較的何言ってるかわかりやすいし。え? そうでもない?
忘却の空は2019年9月4日に自身のデビュー25周年の皮切りにリリースされた初のカバーアルバム「Covers」の初回限定特典DVD内に収録されているカバーバージョンがyoutubeに出ていますし、ちょうど良い。このバージョンの歌い方をみていこうと思います。
【清春】忘却の空from『Covers』の歌い方
太字……アクセント
緑マーカー……ウィスパーボイス
青マーカー……ファルセット
空白(スペース)・改行……ブレス
その他「r」「u」などの小文字は巻き舌の表現だったり、歌詞以外のイントネーション的な意味で使っています。
これだけ見るとよくわからないと思いますが、動画を見つつ、歌詞をみてください。
わりとイメージ的にはそんな感じで歌っているはず。
忘却の空
作詞:清春かわいたかぜにふかれ ひとりきりあるいてる
ぼうきゃくのそーrrらへたどrrりiつけeるまで
はいいろできiれいだった おもいをさがしてる
uあしあとけeせないから いらだち かさねたけど
くうuはくですuてきだった uおもいをさがしてるrro
ぼくだけの ラプソディがuてがかりでee
いつもくuりかえ しただけとuふさいでいた
こおrrりiがとけきっ iたあとのストーリー むねにだいているroo
だからベルベットのそらのした うたうこえはきこえてる
でたらめのダウナーかわしてる ぼくのこえがきこえてる
とりあえず1番だけ、どこでどのテクニックが使われてるかを分析してみました。
あくまでカラオケ好きなだけの僕のレベルの聞き取りなので、「いや、ちげーよ!」という箇所があれば修正してください。
この曲3番まであるんですが、それぞれで歌い方が違ったりするんですよね。
これ、この人「ここはファルセット、ここはウィスパー」とかで決めてから撮ってるのかな。
細かすぎて覚えられない気がする。
ということは行き当たりばったりというか、センスみたいなもんで、フィーリングで歌ってるのかな。
やっぱすげーな清春。
分析の通りに忘却の空を歌ってみると、ほんの微かに清春っぽくな……る?
どうでしょう。
youtubeみつつ、上の分析通りに歌ってみると、ほんのちょっぴり、鼻の奥で微かに香るくらいの清春っぽさ出てきません?
なんとなくね、仄かに、ね。
しかし、やっぱり同じように歌うのにはかなりの練習が必要ですね。
いや、同じように歌える日が来るのかすら不明ですけど。
歌い方に書いた他にも、「歌いだしのアタック感」とか「uuおもいを~」みたいなねばっこさとか、そういうのが渾然一体とならないとなかなか難しい。
というか下手にやるとキモさしか出ない。
ただ、こうやって「どのように技術を使っているのか」を分析し、実際に練習してみるのは良い勉強になります。
今後も練習しつつ、こうやって分析しつつ、勉強していこうと思います。
清春初のカバーアルバム「Covers」は清春の歌い方の練習には最適
清春のカバーアルバム「Covers」には以下の曲が収録されています。
- 傘がない(1972年:井上陽水)
- 悲しみジョニー(1997年:UA)
- SAKURA(2006年:いきものがかり)
- 想い出まくら(1975年:小坂恭子)
- アザミ嬢のララバイ(1975年:中島みゆき)
- 月(1991年:桑田佳祐)
- MOON(1998年:レベッカ)
- やさしいキスをして(2001年: DREAMS COME TRUE)
- 接吻(1993年:ORIGINAL LOVE)
- 恋(1980年:松山千春)
- 木蓮の涙(1993年:スターダストレビュー)
どの曲も清春が歌うことによって完膚なきまでに清春の曲になっていて、やっぱ清春は清春だな、すげーなと思わされます。これ何回清春って言ってんだろ。
僕が一番好きなカバーは、いきものがかりのSAKURAですね。
原曲を聴き慣れているというのもあるんですけど、まあ清春が歌うだけでこうも違うものになるものかと。
youtubeにこんなコメントがあったんですが、ホントその通りだなと。
歌詞が全く同じでも、原曲は青春を思い出す曲だったのに、このカバーは死生観を歌った曲のように聞こえる。
元々の歌詞が秀逸だけど、歌い手で聞こえ方も変わるんだなぁ。。。
掠れた声と妖艶さが相まって、生と死を桜になぞらえて歌っているように聴こえますね。
原曲との差が「清春らしさ」
こういったカバーを聴いていると、原曲との差がつまり「清春らしさ」なんだなと理解できます。
原曲が存在する「カバー」というものを聴くことで、「清春らしさ」というのがわかりやすくなるんですね。
この清春らしさを抽出していけば、清春の曲も歌うコツがつかみやすくなるという寸法です。
ガチで清春の歌い方を習得していこうと考えるならば、買っておいて損はないアルバムかと。
ちなみに、「忘却の空from『Covers』」は初回限定盤に付属するDVDにのみ収録されています。
残念ながら、音源としては存在していないことになりますね。
「youtubeもあるし、忘却の空はいらないかな」という方は、CDのみの通常盤が少しお安くなるのでオススメです。