祝!アニメ化!『イエスタデイをうたって』の思い出話
こんにちは、たくろうです。
2020年4月4日より「イエスタデイをうたって」がアニメ化されましたね!
いやーめでたい!
「イエスタデイをうたって」は冬目景の描く恋愛マンガ。
主人公リクオは大学卒業後コンビニでフリーターをしている、頼りになるのかならないのかなんか微妙なイケメン。
そんなリクオに一目惚れして「好きだ」とストレートにアプローチしてくる年下のハル。
リクオの想い人である同級生の榀子。
榀子が死別した想い人の弟で、榀子にアプローチをしている早川浪。
この4人を中心としてストーリーが進んでいきます。
「イエスタデイをうたって」の思い出:冬目景さんの独特の空気感
僕と「イエスタデイをうたって」の出会いは書店でした。
冬目景さんは画風が独特で、デッサンのような、油絵のような味のある絵を描くんです。
書店に並んでいる「イエスタデイをうたって」の1巻を見て
「おっ、なんか良い感じの表紙だなあ」
と、手に取ったのが始まりです。
冬目景さんの作風ってのが、絵柄の効果もあるかもしれませんが、どこかノスタルジックな感じがするんですよね。
懐かしいと言うか、いつだかもわからないんですが「あの頃」を思い出させるというか。
昔のアルバムを久しぶりに眺めているような感覚になるんです。
主人公がモラトリアムを抱えているのも関係しているかもしれません。
読んでみて、これは面白そうだ! ってことで購読することを決めたんです。
「イエスタデイをうたって」の思い出:単行本出なすぎ
そんで単行本を買っていくことに決めたんですが、あの、なんていうか、単行本出なすぎ。
1999年3月に1巻が発売されて、11巻で完結したのが2015年9月ですからね。
11年ですよ、11年。
平均すると年1冊ですよ。
あれ、年1冊ならそんなに悪くないような気がしてくる。
だけど僕、3巻か4巻あたりから買わなくなっちゃったんですよね。
というのが、多分ですけど、2巻か3巻くらいまでは既刊だったんですよ。
それで一気に買ったは良いんですけど、なんか全然続きが出てこない。
今調べてみたら2巻~4巻までが2年に1冊ペースで、4巻から5巻まで3年かかってますわ。
これはね、諦めちゃう。
おっさんと化した今なら1年なんて早いものですけど、当時まだ多感な時期ですからね。
待てない。
そんなに待てない。
しかも家を探してみたら何故か単行本がなくなってました。
売った覚えはないので、きっと友達に借りパクされてる。
「イエスタデイをうたって」の思い出:めっちゃ良い名言
単行本の続きは全然出てこないんですが、しかし良い漫画なんですよ。
特に恋多き多感な時期の方にはかなりぶっ刺さるエピソードがてんこ盛りなんです。
まあ、恋愛漫画なんで恋愛至上主義みたいな10代~20代に刺さるエピソードがあるのは当たり前っちゃ当たり前なんですけど。
僕が特に覚えているエピソード、というかハルのセリフがあるんです。
「コイなんて錯覚じゃん。一度錯覚したら何らかの結果が出るまで止まれないんだと思う」
「なんで好きになったかなんてわかんないよ。きっと私の中のスイッチが入っちゃったんだ」
どうっすか。
これ。
特に「私の中のスイッチが入っちゃったんだ」ってのがすげー響いたんですよね。
※記憶で書いているので細かい表現が違うかもしれません。
わかるわかる。
「なんで好き?」なんて聞かれても、そりゃ「優しいところ」とか「かわいいところ」とか「楽しい」とか色々言葉は出てきますけど、最終的に「わかんねえよそんなの」ってなりますよね。
いやーわかるわー。
ハルちゃんすげー良いこというわー。
20代当時、同じくこの「イエスタデイをうたって」を読んでいる女友達と池袋の居酒屋でよく恋愛トークしてたんですけど、最終的に行き着くのが
「スイッチがはいっちゃったんだよね」
「はいでた! それだよね結局!」
っていう話でしたからね。
グズグズに酔っ払ってるからその掛け合いを何周もするっていう。
いやー懐かしいわー。
大人になった今「イエスタデイをうたって」を読めるか
そんなわけで久しぶりに「イエスタデイをうたって」について思い返してみました。
しかし、思い返しながら
「せっかくだから単行本全巻まとめ買いしてみるか」
「もしくはちょうど放送してるからアニメを見るか」
と考えてみたんですが、ちょっと躊躇してしまうんですよね。
というのが、当時はリクオやハルが同年代だったんですが、今はもはや完全に年下と化してるんですよ。
あの頃日常だった「恋愛」とか「将来」とかそういうキラキラしたものが、もはや僕にとって手の届かないものになってしまっているんです。
リクオやハルが抱えている悩み。
それをもはや、悩むことすらできない状態になってしまっているんです。
これは完全に「耳をすませば症候群」だと思いますね。
まあ、「耳をすませば」よりは全然良いですよ。
症状は軽くて済むはずです。
だって「耳をすませば」なんて、出会いが図書カードですよ。
そんでお互いなんか好き同士みたいになって、朝日を見るために自転車ニケツで坂を登って、途中で苦しくなったタイミングで女の子が降りて「お荷物だけなんてやだ!」とか言って自転車押しちゃうんですよ。
挙げ句朝日を見ながら「結婚しよう」「嬉しい。そうなれたらいいと、思ってた」ですよ。
ッハーーー!!
そんな眼球の光の受容体をぶっ壊す勢いの暴力的なキラキラに比べれば、「イエスタデイをうたって」はまあかわいいもんですよ。
しかしやはり「もう戻れないあの頃」を感じてしまうのは確か。
だって今すでにちょっと胸焼けしてるもん。
「スイッチが入っちゃったんだと思う」って言ってるハルちゃんの顔を思い出すだけでちょっと胃が重たくなるもん。
ちょっとまだ僕には読めないかもしれない。
逆にもっと年を取って、もうどんだけキラキラしてるものを見てもボヤけて見えないくらいにならないと読めないかもしれない。
そのときには逆にもう物理的に読めないかもしれないけど。
そんなわけで、なんか全然お祝いっぽい雰囲気でない記事になっちゃいましたけど、アニメ化のお祝いとして「イエスタデイをうたって」の思い出話をしてみました。
全部集めきらなかった僕が言うのもなんですが、良い漫画です。
ウグッてなりますけど、良い漫画です。
ハルちゃんの名言を見たい!
「耳をすませば」を見るとキュンキュンする!
3度のメシより恋愛マンガ!
という方は是非読んでみてください。