日曜日の姫騎士ジャンヌ

2020年11月30日

日曜日は姫騎士ジャンヌだと思うんです。

あっ、待ってください。
滞在時間0.5秒で帰らないでください。
とりあえず見ていってください。

日曜日は人生を表していると思うんです。
正確にいうならば、土曜・日曜・月曜の組み合わせは人生を表していると思うんです。

「禍福は糾える縄の如し」という言葉があります。
これは「良いことも悪いこともより合わさった縄のように交互にやってくるものなのだから、ひとときの幸や不幸で一喜一憂するものではありませんよ。イチイチ浮つくなよ俗物が」という意味の言葉で、人生を表すときに使われます。

土曜・日曜・月曜って、まさしく「禍福は糾える縄の如し」じゃないですか。
完全に禍福が糾ってるじゃないですか。

まず土曜日は最高にハッピーですよね。
なんたって当日が休みな上に明日も休みですよ。
土曜日にどれだけ遊び散らかしても明日は日曜日。まだ明日も休み。
万能感に満ち溢れ、最高にハイな状態になります。
禍福でいうと間違いなく福ですよ。完全無欠な福です。福の神もここまで福じゃねえわってレベルで福です。

日曜日はまあまあ、まあまあアレです。まあまあ福です。
まあまあ福でまあまあ禍です。
禍福の糾われてるなんかあの結び目みたいなところです。
日曜日の朝なんかは別に問題ないですよね。
昨日遊びすぎたから今日はちょっと昼まで寝ちゃおうかな、とかができる。
ゆっくり起きて、ゆったりとコーヒーを味わうくらいの余裕はある。

でも夕方からは一変して、地獄のような禍が僕らを襲います。
そう、ちょうどサザエさんが始まるくらいの時間から、僕らは絶望感に苛まれます。
なんてったって明日は月曜日。
月曜日からは、人間のやりたくないこと第一位に堂々と輝く「仕事」をしなければなりません。
月曜日の恐ろしいところは、その前日と前々日が休みであるということです。

人間は適応する生き物です。
適応とは慣れることです。

土曜日・日曜日の2日間、休日という安楽な、甘美な繭の中にでもいるような状態に慣らされてしまった僕らは、唐突に苛烈な人間社会の歯車、月曜日という煉獄に叩き落とされるのです。
これが禍でなくてなんなのか。
これを禍（わざわい）と呼ばずしてなにを禍とするのか。

土曜・日曜・月曜がより合わさった縄のようにやってきて、僕らを禍福で嬲っていく。
まさしく「土曜・日曜・月曜＝禍福は糾える縄の如し」と言えるでしょう。

人生を表す「禍福は糾える縄の如し」が「土曜・日曜・月曜」と同じ意味を持つとしたら、土曜・日曜・月曜は人生ということじゃないですか。
「a=b」「b=c」であるならば「a=c」じゃないですか。なんかそういうことらしいじゃないですか。

ということで土曜・日曜・月曜は人生を表しているということがお分かりいただけたかと思うんですが、僕はこの記事の冒頭で、特に「日曜日は人生を表している」と書きました。
これは僕が「日曜日は生命の誕生を表している」と考えているからです。

先ほどと同じように、まず土曜日から考えてみましょう。
日曜日が「誕生」なので、土曜日は「誕生前夜」となります。
先ほど僕は「安楽で甘美な繭の中にでもいるような」と表現しましたが、まさしく土曜日とは安楽で守られた母の胎内のイメージとなります。
まだまだ安心できて、これから始まる未来への希望に満ちあふれた状態です。

そして月曜日は「人生の旅路」となります。
辛く苦しく、絶望し、傷つきながらも進まなければならない旅路を象徴しています。

となるとやはり日曜日は「誕生」です。
土曜日という守られた状態から脱し、翌日はからは望む望まざるに関わらず月曜日という旅路に放り出される。

すなわち、日曜日は人生を表しているといえるのです。

「ちょっと待てよ。月曜日が『人生の旅路』を表すなら、月曜日のほうが人生を表しているといえるんじゃないか？」

聡明なる読者諸氏の中には、そうお考えになる方もいらっしゃることでしょう。

しかし、人間の人生の、いや、生命の目的とはなんなのでしょうか。
ヒトは、生命は、なんのために生まれ、なんのために生きるのでしょうか。

これは「種の保存」であると言えるのではないでしょうか。
必ずしもそれだけが全てではないにせよ、子孫を残し、一族を、種族を絶滅させないといこと。新たな生命を誕生させることは、人生の大きな目的の一つであるといえます。

月曜日の表す「人生の旅路」は、全て日曜日の「誕生」のためなのです。
僕らが休日のために働くのと同じように、人生の旅路は誕生へ繋がっていくのです。

そうなると、日曜日は姫騎士ジャンヌであるといえます。

え？　よくわからなかった？　大丈夫です。念のためもう一度書きます。

日曜日は姫騎士ジャンヌなんです。

姫騎士ジャンヌというのは、18歳未満がプレイすることを禁じられているPCゲーム、いわゆるエロゲーと呼ばれるもの。
小国リブファールの美しき姫騎士、ジャンヌ・グルノーブルは卓越した剣技と強大な魔力を持ち、その力に並ぶ者なし。ひとたび彼女が戦いに身を投じると、その背中には天使の羽が光り輝くという。
そのジャンヌの体を我が物にせんと、オーガ族のギドーダークエルフのジェリクが結託。
彼らの奸計にかかり、妹姫ユーワを人質にとられ、ジャンヌは淫らな調教を受けることになる。

といったストーリーの、所持していることが知られたら社会的信用度が50は下がる類の呪われたゲームです。

このオーガ族のギドーってやつがですね、なんか落ち武者みたいなヘアスタイルのこのギドーってやつがですね、もうジャンヌのことがめちゃくちゃ大好きなんですよ。めちゃくちゃジャンヌLOVEなんですよ。
でも、ギドーはジャンヌのことがすげー好きなんですけど、ジャンヌからしたら落ち武者に言い寄られてるわけじゃないですか。しかも言い寄り方も完全にゲスで「俺のアナル牝にしてやる！」みたいなことを言うわけですよ。

は？　じゃないですか。
なに言ってんだこいつって話じゃないですか。

こんなやつ、どう頑張っても相思相愛にはなれないじゃないですか。絶対に分かり合えないこと請け合いじゃないですか。
だいたいなんなんですかアナル牝って。
初めて耳にする単語なんですけど、なんですかアナル牝って。
最悪のシモネタじゃないですか。
ひざまづいて結婚指輪パカーってしながら「俺のアナル牝にしてやる！」ってプロポーズしてごらんなさいよ。絶対に炎上するわ。すべてのSNSのアカウントが炎上させられるわ。なんなら自宅まで炎上させられるわ。

そんなゲスなギドーさんと相思相愛になんかなるはずもないんですが、信じられないことに、選択肢次第ではギドーさんとめちゃくちゃ愛し合うルートもあるんです。
すげーな、「俺のアナル牝にしてやる！」でラブラブになれるルートって存在するんだね。

そのルートでは、ジャンヌが完全にギドーさんに屈服しちゃって、オーガ族の尖兵として母国リブファールを滅ぼし、さらには近隣の国々にまで進攻をはじめちゃってるんです。
王の玉座にギドーさんを座らせて「ギドー様、今日も私頑張って火炎魔法で50人ほど民を焼き殺してきました。ご褒美にギドー様の森のキノコを私の湿地帯に入れたり出したりして」みたいなことを懇願するような展開になってるんです。
このブログは完膚なきまでに健全なブログなのでジャンヌの発言をだいぶボカしてるんですけど、ボカしすぎたのかボカせてないのか、何言ってるかわかんないことになってますね。
まあわかりやすくいうとセックスですわ。英語で書くとSEXですわ。

つまり、なんやかんや言っても姫騎士ジャンヌというゲームは生命の営みを描いた作品になるわけです。
これは言うなればサザエさんと同じであるといえるわけですよ。
サザエとマスオも、フネと波平も、これは言うなればジャンヌとギドーであるといえるわけです。
サザエさんも生命の営みの上に成り立っているわけですし、波平のヘアスタイルなんてほぼほぼギドーと同じですからね。頭頂部に縮毛が1本あるかどうかの違いだけですからね。もしかしたら波平はギドーなのかもしれない。
そうすると、遠い昔、フネは波平に「俺のアナル牝にしてやる！」とか言われていた可能性もありますよね。つまり、フネの全盛期は姫騎士だった可能性もありますよね。
「今日も波平様の為に頑張って火炎魔法で50人ほど民を焼き殺してきました」とか言ってた可能性も、微粒子レベルで存在するかもしれませんよね。

これはもう完全に姫騎士ジャンヌですよね。サザエさんは姫騎士ジャンヌと同義ですよね。
日曜日の象徴であるサザエさんが姫騎士であるとするならば、日曜日は姫騎士ジャンヌであるといえますよね。

「a=b」「b=c」であるならば「a=c」じゃないですか。なんかそういうことらしいじゃないですか。
つまりそういうことなんです。僕が言いたいのはそういうことなんです。

日曜日は姫騎士ジャンヌなんです。