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僕は幸福な豚になりたい

先日ね、職場で健康診断があったんですよ。

シフトによっては夜勤で17時間働いた後に健康診断を受けざるを得ないっていう、それもう僕らの健康が心配でっていうよりはただ単に国からそう定められているからしょうがなく実施してるだけやろみたいな、文明が形骸化した名残みたいな、ダークソウルのフレーバーテキストみたいな健康診断があったんです。

まあ僕も一応社員なんでね、そんな古代の骸マチュピチュみたいな健康診断を受けたわけなんですよ。
ていうかね、毎回思うんですけど、介護職って身体的な健康の診断だけでなく、メンタル面、精神的な健康診断も必須にするべきだと思うんですよ。

介護施設に入居している利用者さんっていうのは、こう言ってはアレですけど、ヒトのカタチをした何かみたいな方が大多数なんですよ。
メイドインアビスでは深界6層の上昇負荷を受けると「成れ果て」という人間性を喪失したモノになるんですけど、正直成れ果てみたいな、人間性を喪失した人たちばっかりなんですよ。
同じことを繰り返す、話が通じない、くらいならまだしも、暴力、罵り、汚物まみれ、パワハラ。そんな精神汚染攻撃をしてくるヒト達に対して、優しく、朝昼晩と食べさせ、清潔を保持し、怪我をしないように、快適に暮らしていただく。しかし職員の数は絞りに絞る。

そんな環境で心が蝕まれないわけがない。
何人の職員が心を病んで退職していったかわからない。むしろ退職していった人たちの方がまともで、いまだに働いている僕らの方が異常なんじゃないか。僕らも人間性を喪失していっているんじゃないか。そんなことすら考えてしまう。
身体的な健康ももちろん大事だけど、福祉や医療関係の職種にはメンタルのフォローの方が絶対に必要ですよ。絶対精神のほうが蝕まれるんだから。

というような呪詛を吐きながら健康診断を受けたんですけどね、身長体重を確認してみたところ、身長169cm体重70kg、腹囲85cm。完膚なきまでのメタボ診断をくらいました。うん、肉体、ちゃんと蝕まれてた。

未来を想像する動物は人間だけ

いやー、まあ確かにね、好き放題してた。
好き放題酒飲んでたし、好き放題食ってた。
確かにデブの素養は多分にあった。というかデブの素養しかなかった。
ていうか前回の診断ですでに腹囲84cmとかで、測定してくれた看護師が「うーん、ギリメタボじゃないかなww」とか言ってたわ。メタボに胸くらいまで浸かってたわ。

そんなわけで今回デブ確定の通達を突きつけられたわけなんですけど、正直ね、デブって良いことないわけですよ。メリットなんかひとつもなくて、糖尿病や通風、脳梗塞、運動器疾患といったさまざまな健康障害を引き起こす可能性があるわけです。
特に仕事柄、腰痛を患いやすいんですけど、「腰が痛くてー」っていうのは「まあこの仕事だからしょうがないよね」ってなりますけど「膝が痛くてー」っていうのはもうデブだからじゃないですか。「お前デブだから体重支えられないんだろ」って話になるじゃないですか。

「未来を想像する動物は人間だけ」という話がありますが、これは経験則や知識を駆使ししてより良い未来を獲得したり、不都合な未来を回避する能力なわけですよ。
人間が人間たる、人間固有の能力なわけです。
デブって完全にこの能力が使えてないわけですよ。
なんにも考えず食っちゃ寝て飲んじゃ寝ての怠惰な生活を続けていればそりゃあデブにもなるわけですよ。未来、想像できてねえじゃんって話なんですよ。こんな当たり前のことすら想像して回避できず、メタボギリギリからギリギリメタボに進化するようなやつってもう人間じゃねえじゃん。人間性喪失した成れ果てじゃん。豚よ、豚。

未来を想像しない部族「ピダハン」

でもね、きいてください。
世界は広大で、地球は多様性に満ちています。
いるんです。僕以外にも未来を想像しない人が、人どころか集団、部族が存在するんです。
それはアマゾン川流域に暮らす少数民族「ピダハン」

ピダハンは過去や未来を表す言葉を持たないというとんでもない部族。
語る言葉をもたないということはその概念がないということらしいんですが、未来のことなんて全く考えない。とにかく自由。
もともと食料の備蓄をしない文化らしいんですけど、未来のことなんて考えないから明日食べるものがなくても眠たければ寝る。踊りたければ踊る。夜だろうが昼だろうが腹が減ったら狩りに行く。
先のことなんて知ったこっちゃない。過去のことなんて顧みない。
完全に「今」のことしか考えていない部族、それが「ピダハン」

タイムカードを押すのが1秒でも遅れれば遅刻という地獄みたいに時間に管理された社会に生きる僕らからすると、「なんかすげー行き当たりばったりじゃん」「そんなスタイルで生きていけるの?」と考えてしまうんですが、実はこのピダハン、幸福度がめちゃくちゃ高い部族なんだそうです。

時間の概念がないということは、過去を悔やんだり、未来に不安を感じることがないということ。生きることに苦しさを感じていないためか、「神」という概念もないそうです。
過去や未来、すなわち時間に縛られている僕らとは違い、ピダハンにあるのは「今」だけ。
今が楽しかったり満足していればそれで全部OK。
だから部族内の人たちはよく笑っているらしいんです。

余談ですが、神を持たないピダハンにキリスト教の宣教師が布教しようとしたところ、8年生活を共にした末に無神論者になったそうです。
ピダハンに「お前キリストに会ったことあるんだろ? え? ないの? なんで会ったこともないやつの言うことをきくの?」とか言われたみたい。すげー煽りよるなピダハン。
ていうかキリスト教って論破されまくりじゃない? 日本に布教するときも論破されたとかいう話なかった?

僕は幸福な豚になりたい

確かに肥満であることにメリットはありません。
健康被害もそうですし、シュッとしたスリムな人と腹囲85cmのデブ、どちらと付き合いたいかといえばどう考えてもシュッとした人じゃないですか。
恋愛市場においてデブって産業廃棄物みたいなもんじゃないですか。

シュッとした人は自己管理ができていて、体型維持のために努力ができる。つまり未来のために自己投資ができる優秀な人間。素敵! 抱いて! となります。
一方デブはただ餌を貪り、自己管理ができず、将来のことすら考えられない。もはや人間ですらない動物。「ピザでも食ってろ豚」とか言われるのが関の山です。

でもね、僕はデブでも良い。豚でも良いと思うんです。

僕たちは過去や未来に囚われすぎています。
過ぎたことを悩み、まだ起きていないことに不安を感じる。
「将来のために」ということばかりを考えている。ピダハンのように「今」を生きていない。

いいじゃないですか。
身長169cmに対して体重70kgでもいいじゃないですか。腹囲85cmでもいいじゃないですか。
「健康被害のリスクが」とかいったところで、本当にその健康被害が発生するかどうかもわからない。健康のためにと色々節制したところで、明日車に轢かれて死ぬかもしれない。

美味いメシと旨い酒が飲めればそれでいいんですよ。「今」の幸せを文字通り噛み締めて、その結果デブになろうと、僕はそれを受け入れようと思います。
将来のことを考えられないのは人間性の喪失だ、ただの動物だというのであれば、僕は豚でいい。
今の幸せを感じられる、幸福な豚でいたいと思います。

まあ、ピダハンでデブなやつ見たことないんですけど。

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日記

Posted by たくろう