オンライン飲み会したあと二日酔いで酒が飲みたくなくなった

先日、オンライン飲み会をしたんですよ。

最近コロナのせいで何でもかんでもオンライン!ってことでリモートワークだのオンラインヨガだのオンラインキャバクラだのが流行っていて、その中のひとつにオンライン飲み会があるわけですわ。

でもね、僕らインターネット老人会からしたら、オンライン飲み会なんて今更さして新鮮味もないよねって話なわけ。
昔からオンラインゲームしながらスカイプ繋げて酒飲みながら狩りとかしていたわけなんですよ。
キサマ等のいる場所は既に我々が2000年前に通過した場所だッッ!!! とかって謎のマウントを取りに行くレベルで、昔からオンラインでネッ友と飲み会くらいしていたわけです。

しかしまあコロナのおかげで「オンライン飲み会」という単語が浸透し、更にそこをマーケティングの場と捉えた企業が多様なサービスを提供してきたおかげで、かなり快適にオンラインで飲み会ができるようになりましたな。

僕のイチオシは「たくのむ」というサービスでして、これはアプリのダウンロードもアカウントも不要。ルームの作成も2秒で出来て、ルームのURLを参加者にベタっと送りつければすぐにオンライン飲み会が開始できる。
必要なのはスマホと酒だけ。
そんなアル中のメンヘラみたいな簡潔さで始められる点が魅力のたくのむ。こいつが一番のお気に入り。

あ、もちろん一緒に酒を飲む相手はこっちで用意しないとダメなんですけどね。
ひとりでたくのむでルーム作ってひとりで入室しても、真っ暗な自分の画面が自分を映し出すだけなんで。それこそ黒魔術を習得中のアル中のメンヘラみたいになりますんで。まあ最悪そんな状況なら悪魔とか召喚してもいいかなって感じですけどね。その悪魔に己を滅ぼすか世界を滅ぼすかしてもらってもいいかなとは思いますけどね。

まあそんな感じでですね、スマホと酒と飲む相手を用意して、先日オンライン飲み会をしたんですよ。

オンラインでの飲み会の良いところってのは、まずひとつに自宅であることってのが挙げられますよね。
例えどれだけ酩酊しようとも帰りの心配をする必要がない。これはかなり大きなアドバンテージですよ。

楽しく飲み会に参加した帰り道、今日はちょっと飲みすぎちゃったかナー、あれあれ、なんだろうこれ、気持ち悪くなってきたゾ。なんだろうこれ、あー、これあれだわ、吐くやつだわ。ゲロ吐くわ。でも待って、今は電車で、これは終電なの。途中下車は許されないの。頑張って最寄り駅まで乗っていないと帰れなくなっちゃうの。あーダメ。ダメダメ。これダメだわ。絶対最寄り駅までもたないわ。最寄り駅どころか次の駅までも危ういやつだわ。だってもうこれ、口の中に溜まり出してるもん。ちょっと戻ってきたやつが口の中で密だもん。ああもういい。今すぐ電車からおろして。この電車からおろして。早く次の駅に着いてそして僕をおろして。
といったような、鬼滅の刃無限列車編みたいなことになる心配がないわけですよ。

そして次に、お金が安く済むという点。

居酒屋で生ビールを飲めば、まあ最高級に安い店でも290円くらいじゃないですか。これ以上安くなると、例えば1杯180円とかになってくるとこれはもう胡散臭いじゃないですか。ビールなのかヤギのションベンなのかわからなくなってくる。

昔M.E.M〜汚された純潔〜ってエロゲーがあって、最終的にヒロインの1人が人間ビールサーバーにされて主人公が開いたBARで名物ションベンビールを振る舞うってエンディングがあるんですけど、それなのか生ビールなのかわからなくなってくるじゃないですか。

その点、オンライン飲み会ならきちんとした缶ビール500mlが250円くらいで飲めるわけですよ。ワインだって日本酒だって原価でいくらでも、用意しただけ飲み放題なわけですよ。

そして飲み会が終わった瞬間ベッドインできるというのも忘れてはならないポイントですよね。
まあ自宅であるという利点カテゴリに入るっちゃ入るんですけど、「お疲れー」ってログアウトした瞬間、もうベッドインできる。なんならベッドインしながら飲み会ができる。
ベッドインしながら飲み会やってるやつとかガチのアルコール中毒者の末期みたいで恐怖を感じますが、やろうと思えばこれができる。
この自由度と安心感はなにものにも代え難いアドバンテージですよね。

こんな良いことだらけのオンライン飲み会にですね、先日参加したわけですわ。

夜の7時から開始したんですが、何がどうなったのか全然わからないんですけど何故か気づいたら夜中の3時になっていてですね。ワインの空き瓶とビール缶が散乱してて、日本酒とか抱えてましてですね。なんだろうこれ、鬼滅の刃なのかなって。もう鬼滅の刃って言いたいだけなんですけど、鬼滅の刃なのかなって感じになってまして、とりあえずオンラインになっているメンツに鬼滅の刃最終巻の表紙の炭治郎みたいな顔で「お疲れっしたー!ズッ友だょ!」みたいなこと言ってベッドにインしたわけですわ。

そしてその5時間後、朝の8時前後に目が覚めたわけですけど、まあ気分が悪いの。
最高に最悪の気分なの。

なんか頭は痛いし胃の辺りはムカムカするし気持ち悪いし、なんなのこれ、なんでこんなに気持ち悪いのって思ったんですけど、まあ当たり前に二日酔いですわ。波が寄せて返すのと同じように当然の摂理としての二日酔いですわ。

ほんともうなんか吐き気もあるんですけど、胃と胸のあたりで関所みたいなのがあって「止まれィ! 手形を持っておるのか! なに、持たぬ!? ならばここを通るのはまかりならん!!」みたいなこと言ってる感じがするの。なんかハチマキ巻いて1,5mくらいある木の棒を持ってる奴が口をへの字に曲げながら言ってる感じがするの。
「後生でごぜえます! ここを通らなせてもらえなければ便器に行けねえんです! わっしだけじゃねえ、他の奴らもここを通らせて欲しくてつかえているんです! 大勢が待っているんです!」
って懇願してくれてるんですけど、あ、この懇願してる奴らは吐瀉物っていって、ストレートにいうとゲロなんですけど、こいつらの願いを胃と胸が聞き入れてくれないわけ。
んで、このゲロ共に対して門番が「この関所を通りたくば手形を出せぇィエェ!!」とか言ってるわけ。
門の両脇に立って1,5mくらいある木の棒を2人してかざして門の前でバツマークを作ってるわけ。
絶対に通さないって気概をムンムンに出してるわけ。胃と胸の奴が。

もうね、こっちとしては喧嘩すんなよと。通してやれよと。
そうこの上なく思うんですが、胃と胸の奴らの意向には敵わないんですわ。
自分の体とはいっても内臓には敵わない。沈黙の臓器には敵わない。

そんなもんだから、しょうがないから安静にしつつうがいしたり少しずつ水飲んだりしてるんですけど、全然良くなる兆しがないの。快方に向かう光が見えない。

布団の上で人型のバブルスライムみたいになりつつどうしたもんかなあと考えていたんですけど、こういうときってなんか滋味深い飲み物とか飲みたくなるじゃないですか。
味噌汁というかラーメンの麺抜きというか、なんか旨味があるスープのようなものを欲しません?

さっきから水ばっかり飲んで体液が薄くなってる感じがするし、少し塩分を摂ろう。そうだ、永谷園のお吸い物があったはずだ。

そう思って戸棚を漁ってみると、永谷園のお吸い物の他にもシジミ70個分のスープっていう、シジミのアウシュビツみたいなスープも発見しましてね。
シジミは肝臓に良いらしいしこりゃあいいやってことで、スイスイとお吸い物とシジミのスープを飲んだわけですわ。「ッはぁ〜……キクわぁ〜……」とか言いながら飲んだわけですわ。

そんで良い感じで肝臓に効果のあるスープもキメたし、ちょっと寝とこうかなって横になったらですね、急速に吐き気がきたんですな。

本当にもう急転直下。
あんなに厳重だった関所の門が、コンビニの自動ドアレベルでたやすく開いてんの。

関所の木の棒持ってるハチマキ2人組どうした? 仕事してる? 開門早すぎない?
もっとこう、ギギギギギィ…みたいな感じで、アシタカがタタリ神の呪いの力でタタラ場の門を右手一本で開門した時みたいな厳かな感じで開くもんだと思ってたら、ドア越しに聞き耳立ててたら体重かけすぎて開いちゃったみたいな開き方してるけど大丈夫?
なに? シジミ70個が攻めてきたの? シジミの怨念に怯えて開門したの? ちゃんと手形確認した?

とかなんとか考えている暇もないレベルでトップスピードで吐き気がきたもんでですね、僕ももう大急ぎでトイレにダッシュ。
間一髪のところでゲロを便器に放流できたわけですわ。

これがまた本当にもう、せきを切ったようにズドロロロロロと出てきてですね、多分はたから見たら初期のピッコロ大魔王が神龍を殺した時みたいになってたと思う。
口からビーム出てるみたいになってたと思う。
僕のゲロで神龍を殺せる。それくらいの勢いだった。

しかもこのゲロがですね、また良い匂いしてんですわ。

今さっき永谷園の松茸のお吸い物とシジミ70個分のスープ飲んだじゃないですか。
その直後の吐き気だったんで、全然もう消化とかされてないわけ。

ほんともうコロナ禍の帰省みたいな感じで、実家の家の前に車横付けして孫の顔だけみせてお土産交換だけして帰るみたいな、永谷園の松茸のお吸い物とシジミ70個分のスープが来たと思ったらすぐ帰っちゃったみたいなタイム感だったんで、全然消化なんてされてないわけ。

すごかったね。
便器の中が松茸とシジミの芳醇な香りで満たされたもんね。

嘔吐した後って口の中が胃液臭くて苦くなるもんなんですけど、そんな不快感全然なし。
松茸とシジミの滋味深い味と匂いで満たされてたもん。
なんならもう一回くらい吐いてもいいかなって思えるくらい良い匂いと味だった。

とか思ってたら立て続けにまた吐き気が来て、今度は完全に胃液だった。
うん、めちゃくちゃ胃液臭かった。

まー、そんなこんなで、気持ち悪いしムカムカするし頭も痛いしゲロも吐くし体調悪いしで散々だったわけですよ。
ほんと辛くて、こんなに辛い思いするくらいならもうしばらく酒飲まなくていいかなと。このまま禁酒とかしてやろうかなって思うくらいだった。
もう酒なんて飲みたくない。
そんな風に考えてしまった二日酔いでつぶれた休日でした。

まあ夜にはしっかりハイボール飲んでたんですけどね。

いや、なんかほら、夜に酒飲まないのってすごく損した気分になるじゃない?
人間、損はしたくないじゃない?

人間って業が深い生き物だなと思いました。

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日記

Posted by たくろう